あけましておめでとうございます

 
 今年もよろしくおねがいいたします。
 
 想えば、ひとりで年を越したのは初めてかもしれません。例年ならば「ああ、めんどくせえなぁ」と思いつつも、雑煮を愉しみにしていた節がありました。失くしてわかる有り難さとはこのことで、正月に帰る家がないというのはなかなかに淋しいということを身をもって知った次第であります。
 まあ、ぼくの場合は行事とかをまったく気にしないので、どうでもいいんですけどね。年賀状はもう何年間も書いていません。面倒なんですよ。あいや、書くのじゃなくて、住所を尋ねるのが面倒なんです。書くのは好きなんですよ。もともと筆マメですから。若かりし日は文通なんかもしていたくらいです。
 
 糖尿の気があると診断された母は、差し入れ等も含めて菓子などは禁止されているんですが、正月ということで饅頭とどら焼きを買っていきました。包みを開けて饅頭を見せると、母は「ニヤッ」と口を歪めました。嬉しいときの満面の笑みではなく、背徳を含んだ怪しい笑みです。喩えるならば、港の倉庫でアタッシュケースを開けた麻薬密売組織のボスのような、あるいは、初めてセックスする女のブラがフロントホックだったときのような含み嗤いです。
 規則を破ることの悦びは、いくつになっても変わらないようです。
 
 大晦日のスーパーというのは独り暮らしに冷酷で、一人前の食材が皆無です。仕方がないので牛のタタキのブロックを買って、自分でスライスして、葱を散らしました。このタタキが硬くって、仕舞いには顎が筋肉痛になりました。前夜、友人宅で呑み過ぎたせいで、酒も進みません。仕方がないのでその友人に依頼されたノートPCの修理をすることにしました。
 以前にG嬢から貰ったそのPCは、どうやらHDDの寿命間近だったようで、セッティング後に渡して間もなく壊れたようです。症状を訊くと、「なんか変な音がする」と言うので「あー、HDDだわ」と言うと、パソコン音痴の彼は「お、俺が使い過ぎたからだ……」と自分を責め始めたので笑いを堪えながら「どのくらい使ったんだい?」と訊くと、「一日二時間」と言ったので噴いてしまった。
 元々、アダプタはおろかリカバリCDも無いような状態だったんだけど、東芝Dynabookはまことに不親切な機種で、リカバリがHDD領域にあるにもかかわらず、それをバックアップするツールが無いんですよね。
 つまり東芝は、HDDが消耗品であることを熟知していながら、その修理でもういっちょ儲けようという魂胆が丸見えなんです。今どきそんな野蛮なノートPCはありませんよ。東芝さん、いいかげんにしなさい。
 昼間にビックカメラで買っておいた2.5インチのHDDを挿して、OSをインスコしてやる。一台に一個と謳われているOSは、つまりはシリアルナンバーを買うことなので、付属のリカバリ以外の方法をとったとしても違法ではない。シリアルナンバーは、本体の裏に神々しく鎮座しておる!
 さて、問題はドライバ群である。以前、友人のPCを直したときは富士通製だったので楽勝だったが、今回は悪名高き東芝製である。案の定、いくら検索してもドライバ情報はない。
 こういう時は、海外で探せばいい。英語がイマイチ解らなくとも、仕組みがわかっていれば、必要な情報は向こうから飛び込んでくる。言語にはそういう特性があるし、文字もまたジェスチャーをするのだ。
 さすが海外、リカバリに内蔵されていたドライバよりも新しいものが沢山あった。デバイスマネージャーをチェックして、OSの余計な機能を外してやると同時に、追加してやる。拡張子が出るようにお節介をしておく。これ、大事です。
 
 ふと時計を見れば年が明けていた。四時就寝。
 翌朝の九時、けたたましいチャイムに起こされる。民営化一発目の正月、「年賀状は手渡すべし!」という迷惑なサービスが始まったのかと思いきや、玄関ドアを開ければ宅急便だった。
 Amazonのカートにはおびただしい数の“ですこアンテナ”を放り込んであるが、好きなミュージシャンの新譜をキッカケに取捨選択してまとめ買いするようにしている。さすがに元旦の配達はねえだろと思っていたが、元旦に届いた。いつもは「はいどーも」と判子を押すんだが、今日ばかりは「ごくろうさまです!」と血判を押しておいた。
 あのさ、いいよ、元旦じゃなくても。休もうよ。つーか、いつでもいいよ。気が向いたときに配達してくれ。
 
 そんなわけで、愛してやまないWEENの新譜と、いくつかのCDや本と、珍しくゲームを買いました。
 
SuperLite2500 クリムゾン・ルーム
 
 脱出ゲームのパイオニアにして、スーパー・マルチ・クリエイターのおぢさんが(そこは名前だせよ)作った、全世界を席巻したゲームが四本入ってお値段なんと二千五百円ですよ! 奥さん!
 DSを持ってるみなさん、買いなさい。ちなみに、やりこんでいたぼくは、それぞれ五分以(ry
 
 みなさん、今年もよろしくね。