リハビリ日記#2

 
 もはや書き方のフォーマットすら忘れてしまっている。
 
 以前から症状はあったのだが、某日400kmほど走って生命の危険を感じた。
 所謂ハンドルジャダーというやつだが、その揺れ方がパネェ。峠道を走りながらマンガみたいに壊れそうな気配を感じつつ、いやな汗をかきながら這々の体で帰路へ着く。20年落ちの10万kmオーバーなら仕方ないか。
 色々と調べてみると、どうやら自分で解消できるらしい。ちなみに町の修理屋に訊いたところ、片輪で25,000円とのこと。
 うん、自分でやります。早速品物を発注してジャッキアップ。
 

 ブレーキASSYを取っぱらい、ナックル部のピンに咬ませてあるシムを交換すると直るらしいが、果たしてそんな物で直るのだろうか。
 半信半疑のまま、意を決してタイヤハウスに頭を突っ込み、オラオラとレンチを回すも一向に回る気配がない。このまま力尽くでやって、ジャッキが倒れたら確実に死ねる。
 鉄パイプを咬ましてトルクを稼ぎ、エイヤァ!とやると「ガコッ!」と音がした。
 外れたと思いきや、ソケットが割れていた。これを二回繰り返す。

 工具は良い物を使うべきだと痛感した。
 
 作業を終えて近所を走ってみると、嘘のように症状がおさまっている。
 自分で直しておきながら、「そろそろ買い換えかあ」と静かに決意する。
 それからしばらくの間、クルマ情報誌を読み耽ることになる。