地上三階のG-SPOTS
もみあげにつむじがある、台湾禿げですこです。
今日はヒロ吉とゲーシーの晴れ舞台だったのです。
全部で2バンド、無謀にもヒロ吉は1バンド目はベース、2バンド目はメインvo&gtというダブルヘッダーでした。野球でいうところの4番のエースでござんす。
ハコのキャパは150人で、来場者は約50人くらい。無名のアマチュアがハコの3分の1を埋めるとは、それがかつての高校時代の同級生が大半だとしても、大したものです。
同じ事をぼくの高校で演ったとしたら、たぶん10人も集まらないでしょう。それくらいぼくのKN高校は個人主義で、ヒロ吉のKS高校は団結力が強いのです。
ちなみにわたくし、未だかつて同窓会というものに呼ばれた事が御座いません。
顔見知りが二人ほどしか居ない開演前のフロアで、ヒロ吉と挨拶を交わす。「時期尚早だった」とイキナリ弱気。
「朝から指の震えが止まらない」とゲーシー。
1バンド目はアジカンのカバーバンド。ヒロ吉はベースで(おれのバイオリンベース!)、無帽に眼鏡といういでたちだった。
アップテンポの歪み系で、パワーコード全快の演奏だった(おれはアジカンをよく知らない)。巧かった。客席にいた祖父母から孫までの集合体が、場を盛り上げていた。
2バンド目、いよいよメイン登場。先ほどとは真逆に、ニット帽に裸眼でギターを抱えるスターヒロ吉。お 前 は 披 露 宴 で の 花 嫁 か 。
オレンヂ色のグレッチ・ナッシュビルを抱えて、生まれ立ての仔馬のようにヌメリ震える四つん這いのゲーシー(嘘)。
しっとりと、まったりと演奏は始まった。drとkeyは腕利きだと聞いていたが、やはり演奏は巧い。
高すぎるキーで唄い上げるヒロ吉、低すぎる天井でギターを掻き鳴らすゲーシー。
ぼくが驚いたのは、二人ともギターの音が抜群に良かったことだった。ヒロ吉のJ-80Eはほとんど上等なフルアコのクリーントーンのような温かい音色で、ゲーシーが発した音はグレッチに一番似合う絶妙なクランチ加減だった。
そういう“いなたい音”こそがギターの醍醐味だって事を、彼らはいつ知ったのだろう?
曲の合間にメンバー紹介が始まった。途中で「個人的な協力者のですこがあちらに居ます」とヒロ吉が指した方向に、ぼくは居なかった。
「おーい」と手を振ったが、ヒロ吉は気づかなかった。
眼鏡を外したヒロ吉は、コンタクトを入れていなかったのだろう。もしくは入れながらもテンパっていたか。
最後の曲では、座っていた全員が立ち上がった(立たされた)。
「良いライブだった」というよりも、「ライブは良い」と言いたい。ライブは、良い。
彼らの最初から知っているぼくにとって、今夜のライブは感慨深かった。ぼくは過程の目撃者だった。みんなが、あらゆる過程の目撃者になればいい。自分を始めるよりも前に。
確かにオリジナルではなくカバーだったが故に完成度は高かったが、クラシックもジャズも大半はカバーだ。いや、ロックもポップもな!
「音楽と演奏を楽しむ」という意味で、カバーは絶好の選択だし、それが全てとは言わないけれど、最も重要な態度なのかも知れない。
ぼくは今夜、感銘を受けたんだ。
↓今宵のオマケ↓(30万画素ですいません)
ヒロ吉
ゲーシー