いたるところにDNAが

 
 プロポーズの言葉は「お前の血ぃ吸ぅたろか」、モスキートですこです。
 
 
 
 どういうことぢゃい。むしろお前がマラリア。もしくは日本脳炎。いやよそう、死人のことを悪く言うのはよそう。
 深沢七郎は、さんざん世話になった正宗白鳥が死んだあと、急に白鳥を呼び捨てし始めた。曰く「死んだ人間に対して敬語は必要ない(キッパリ」
 ……なんちゅー男ダ!
 
 最近、暇でしてね。毎年この時期は晴耕雨読であります。
 昨日、中央区の三大公園、円山、大通り、中島をチャリンコで走ってきました。土が沢山ある円山が一番よい。およそ2時間ほど、疲れ果てました。体力がもの凄く落ちている事を実感した次第であります。21時頃に落ちるように眠ってしまうし、まったく情けない。
 MTBを「バイク」と呼ぶたぁ大袈裟な奴らだなー、と思っていたがありゃあBIKEだ。レスポンスが凄しフレーム剛性も充分且つかなり軽量。土の上で思いっきり漕げばホイルスピンしてくれるし、風を浴びるから運動量の割にあまり汗はかかない(=空冷、有酸素運動を長時間持続できる)、うーん、ハマリそう。レースに出たい。
 早速サイクルコンピューターと(名前ほど立派な代物ではない)LEDライトを購入。サイコンは、スポークに小型磁石を装着して、その回転をセンサーが読み取り速度や走行距離を算出し記録する。誰だ、こんな発明をしたやつは…天才ダ! TARO MONEYあげるからウチに来ーい!
 わたくしいつも思うんですけど、磁石というプリミティヴな物質を利用する人って、頭が良いと思うんです。車のエンジンなどオイルまみれになっている箇所には必ず磁石があって、摩擦によって出た鉄のカスなんかは磁石が吸着するわけです。しかもその磁力はボルトに埋め込まれていたりするから、除去が容易でオイル交換毎にできるんです! どうですか奥さん!
 磁石くんよ、いやMr.マグネットよsirマグネットよ! きみはきみの凄さに気づいていない。けれどきみが自身の価値に興味を示さないのは、きみに利用価値があることをきみが知っているからだろう。大丈夫、ぼくにそんなつもりはない。なあ、今度一緒にジンギスカンでも食べに行かないか。心配しないで、鍋はアルミだよ。君の顔面が火傷するなんてことはない。
 
 
 さて(なにがさてだよ)、文部科学大臣賞を獲った和田義彦氏、盗作というよりも模写に近い。だが被害者のアルベルト・スギ氏はいたって温厚で、訴えるつもりはないらしい。彼らは何十年来の仲らしく、師弟関係に近いのかも知れないのでスギ氏の温厚さも頷ける。和田氏がスギ氏をリスペクトしているのは明らかだし、和田氏に創造性のカケラもないことも明らかである。
 例え盗作でも、その作品によって大きな賞を獲れたということは、和田氏は目利きだったといえる。ここはひとつ選考委員の節穴を糾弾するよりも、和田氏の炯眼を賞賛したい。彼が美術に精通していることは認めておきたい。
 だが、盗作は非常にリスクが高いということを、和田氏は知らなかったとみえる。
 盗作によって一度でも名声を獲得した者は、そのあと死ぬまで盗作を続けなければならない。バレるバレないの次元ではなく、本来持っていた創造性が(それが例えハナクソほどでも)消滅してしまう。それほど賞賛の蜜は甘い。
 
 ポール・マッカートニー
「音楽は周期的に繰り返す。ちょうど螺旋階段のように、過去よりもちょっと上に登るだけ」
 と言った。音楽を好きな人ならこの言葉の説得力がわかるだろう。
 ほんの1%でもオリジナリティがあれば、一歩階段を上れる。
 その解釈が誤解だと言われても、盗作よりはずっと創造的なのだ。