青日記

 
 わたしは青が好きだ、ですこです。
 
 オートバイも車も青、持ってる服も青だらけ、オーディオスピーカーのバッフルも青、ギターアンプのスピーカーも青い! ケツも青けりゃ、人間も青臭い。そのクセ青春の酸味とは全く無縁で、望んでいる髭は薄くって剃り跡は青くねぇ! チキショウ! 春がないから潜在的に新芽を望んで青を好むって? そんなバカな。こんなに青ざめたヤツに春なんか来ねぇっての。本当はもう、できれば青から逃れたい。だが目にするモノ全て、なぜか青に惹かれてしまう。特に好きなのは真っ青ではなく『アオミドリ』だ。ジョージア缶コーヒーの「サントスプレミアムの色」といえば伝わるだろうか。英語ならターゴイスってところか。あの色だよ、嗚呼たまんねぇよ。夏祭りでターゴイスのカラーヒヨコとか居たらヤバイな、飼っちゃうかも。スプレーも一生分買うぜ。あとアレだよ、すすけた紺の生地が毛羽立った感じとかさ、たまんねぇ。いい感じで青いなぁ、あいつのあの生地、あの佇まい。青にもグレードがあんだよ。ブルーとシアンって違うんだ、レッドとマゼンタみたいに。三原色ってのがあって、一般的には赤緑青(RGB)だが、おれがかつて勤めていたアナログLABではマゼンタ・シアン・イエロー(MCY)だったと記憶している。それら三つのツマミをグリグリ回してたくさんの色を作るんだ。だからおれは後者の方がしっくりくるな。だって、青と黄色を混ぜれば緑になる訳だから、RBGのGは三原色とは呼べない。赤青黄こそが、つまり信号の配色こそが三原色だと思うんだが。色を作るには濃度も重要だ。今で言えばレベルと呼ぶのかな。露光の時間だ。雪景色に寒さを加味するならシアン、暖かさならマゼンタで、夕焼けを朝焼けに見せるにはシアンを混ぜて薄紫にしてやる。無論、影の角度は前提だがね。陰影の強弱は掌をかざしてジワジワ焼き込むんだぜ。こんな古典の知識はクソの役にも立たねぇな。つーか、知識なんか何の役にも立たねーよ、ケッ! そうだ、青の話だったか。アイボリーと小豆と紺、この組み合わせが好きだった。昔のレーシング・カーの配色さ。で、同じ配色のキャップをチャリンコ用に買っちまった。いいぜ、気に入ってる。いいな、青系が混じるとさ。いいな、青。やっぱいいぜ。おれの子供には青と名付けよう、男女問わず。ブルース、とはよく言ったモンだぜ。まったく辛気くせぇっての。