デブ説法

 
 デブDEBUTを果たした、小力ですこです。なんかスッキリしました(お腹以外)。
 
 もし、わたしの事をカッコイイとか思っている人たちが居たのなら、昨日の写真で幻滅と罵倒をして下さい。そしてもしわたしに会う事があったのなら、石の代わりに角砂糖を投げつけて下さい。熊牧場の熊みたいに両手でキャッチしてみせましょう。
 
 改めて現実を直視してみると、こう考えてしまう――もしおれが銀行強盗をやって逃げたとしたら、どういった報道をされるのだろう?――
 
「速報です。さきほど中央区の関取銀行に強盗が押し入りました。現地の大木さーん」
「はい大木です。犯人は白昼堂々と犯行に及び、現在も逃走中です」
「犯人の特徴は?」
「小太りです」
「中肉中背ということですね?」
「いえ、小太りです。絵に描いたような」
「犯人の遺留品は?」
「脂汗です」
 
 と、なりましょう。怖い。捕まる事よりも、そう報道される事の方がずっと怖い。なにより小太りが逃げ切れるはずがない。
 
 
 そんな訳で、今日もチャリンコに乗る。風を切る愉しみというよりも、痩せる為である。「自転車じゃ痩せない」というけれど、そんな事はない。なまりになまった基礎代謝を上げるには充分効果的だと思う。それに、運動は楽しくなければ続かない。
 以上の理由でわたしは自転車を選んだってわけです。
 環状通りに乗って白石CRに行ってみる。懐かしいぜ、20年以上振りだ。グングン進むとあっという間に大谷地は虹の橋。急に張り切り過ぎた所為か、顔面真っ赤のゆでだこ状…いや、蒸し豚状態になる。続きは次回の愉しみに取って置き、引き返して東札幌のCR終点まで到着。ナントカ通りを進んで豊平河川敷に進入、ちょっと走って帰宅。およそ2時間で、汗…いや、汁だくである。
 本気モードなので、OAKLEYのUNKNOWNを買った。透過率が90%以上なので夜間も掛けられる処がナイス。サングラスというよりも、ゴミやチリ除けに効果がある。
 実際、帰宅して気づいたのだが、汗ばんで露出している肌には大量のチリやらが付着していて、触るとガサガサである(お腹はツルツルでっす☆)。海水浴に行ったあとの髪の毛がやたらキシキシするのと一緒で、相当なチリを浴びている。それらを除ける為にゴーグルは非常に効果があるし、なにより“ホンモノっぽい”。小太りだが言わせてくれい、見た目は大事だ、と。気分は大事だ。ぼくたちは気分で生きている。そうだろう?
 
 昨日の写真で醜態を晒した以上、もうぼくに怖いものはない。
 ベスト体重は60kg弱だが、現在は65kgほどある。プラスの5kgほとんど全てが腹にきてしまった事が、着痩せの理由だろう。
 太った理由は、酒である。といっても肴はほとんど食べない。毎日深夜まで呑んで、夜中に飯を喰うから太ったのだ。それを咎める者は誰も居ない。自由な身を自身で緊縛することが如何に大変なことか、これがわたしの腹に顕れている。
 
 世のデブ諸君、悲観することなかれ。ぼくはむしろ楽観している。
 太る理由は単純で「カロリー摂取過多」以外にはない。食べた分だけ動けば太らないし、食べた以上に動けば絶対に痩せる。じゃあ「運動しないで食べなければ?」とは早計で、食べて運動しないよりも、食べないことの方が怠慢だと云える。
 もしぼくが、いま太っていなかったのなら100%深刻なアル中になっていたはずだ。食べることによって肝臓は好調を維持し、腹が膨れたのだろう。
 禁酒など容易いが、できれば積極的に痩せたい。なるべくたくさん愉しみたい。汗をかいて水を飲み、食事を摂って酒を呑む。
 ぼくはいま、当たり前の真理に近づこうとしている。真理とは、あたかもそこには落ちていない。その単純な原理に気づいて実践すれば、おのずと知ることだろう。
 
 みんな、一回太ろうぜ、なあ。