そのまま持ってるのが一番です

 
 暇なので1キロの豚バラ肉を使って角煮を作っている、豚野郎ですこです。
 
 いつからか、スーパーやコンビニで煙草をカートンで買ってもおまけのライターをくれなくなった。スーパーでは代わりに簡素なエコバッグをくれるが、アンチ・エコロジーのぼくとしてはまったく嬉しくないどころか邪魔なのだ。
 エコバッグをひとつ作るためには沢山の新しい石油を必要とするが、レジ袋は100%リサイクルで成り立っている。プラスティックは、廃棄前のように完全復活しない。レジ袋のような脆い製品以外にあまり使い道がないのだ。だから、レジ袋を使って、それを棄てて焼却炉の燃料としてバンバン燃やす方が合理的と言える。
 もうひとつ言いたいことがある。
「なぜ、我々がゴミを分別しなければならないのか?」
 よく見る光景で、大量の空き缶をリヤカーに乗せている人がいる。あれは“空き缶が金になる”ことを表している。
 ゴミ収集車が集めたって同じことで、最後には何者かが利益を得ている。
 つまり、分別するべきは人は利益を得ている人であって、我々がそれをお手伝いする道理はまったくないはずだ。
 では、誰が利益を得ているのか?
 たぶん、ほとんどの人は知らないだろう。ぼくも明確にはわからないが、ある種の既得権はあるだろう。ここに環境問題の欺瞞がある。
 パタゴニアのフリースは100%リサイクルで作られているが、約2万円と高価だ。そのペットボトルを集めるために要するトラックのガソリンやその他に使う石油の量は、新たにフリースを作るよりもはるかに多いだろう。なんたる矛盾だろうか。
 そんなわけで、ぼくはエコロジストを非常に疑っています。オナニーはひとりでやるもので、他人を誘ってまでやるものじゃござんせん。ましてやお説教つきだなんて! このド変態!
 
 おまけの100円ライターをくれないので、ライターがなくなってしまった。
 今までタダで手に入れたものを買う気にはなれないので、オイルライターを買うことにした。そのほうが環境に優しいし、なによりそれをアピールできる……hahaha! 嘘じゃ! この変態!
 ジッポには飽きたし、あのツーアクションが気にくわないので、一発で点けられるオイルライターが欲しかった。ロンソンは着火アクションが面白くないので、マーベラスとコリブリを買いました。
 マーベラスは国産のライターで、ジッポのように綿に湿らせるのではなく、タンクにオイルを入れるタイプで、通称「タンクライター」と呼ばれているらしい。結構いろんなモデルがあって、ルックスもシンプルでいい感じ。ちなみにぼくはヘンプ柄入りのを買いました。ぼくはエコロジストではないけれど、カンナビストなんです(≒エコロジストだ!)。
 コリブリはアクションがいいね。親指でレバーを下げると蓋が開いて、指を離すとバネの反動でヤスリが回転して着火するという、味のあるワンアクションです。
 想えば未成年の頃、隠れて煙草を吸うときなどは、たとえ百円ライターでもヤスリと石が擦れるあの音がひとつの儀式だった。「俺はいまから体に毒を入れるんだ!」と、震える煙草の先を寄り目で見つめていたっけ。
 そんなわけで、オイルライターは良いです。いいけど、三日で飽きます。しかも呑みに行ったら確実に紛失します。さらに、もし家の中でオイルが切れたのなら、注入が面倒なのでその辺にある100円ライターを使うことでしょう――そう、その時から、オイルライターたちは埃を被り始めるのです。
 こう考えながら、ぼくはすでに100円ライターが放つ魅力の凄さにおののいています。安くて、すぐに火を点けてくれて、しかも使い捨て! なんという淫売! この変態!
 
 以前に撮った母の写真を「証明写真化」するべく、パソコンと格闘する。3000×2000pxというでっかい画像をトリミングして、3cm×4cmにしなければならない。コラージュやイタズラは得意なんだけど、綺麗にプリントするとなるとイマイチ概念がわからない。
 とりあえず適当にやってみると、画像が粗かった。ネットで調べると「解像度は300にするべし」とあったので、やってみるとうまくいった。
 L版の写真用紙に、3×4の画像を90℃傾けて合計8種をプリントする。なんせ元画像が大きいので、ついでに小皺やシミをけしてやる。
 30枚ほどの母の顔写真をアップで見ているうちに、悲しくなってきた。脳梗塞のせいで左右が非対称なのだ。入院生活での激痩せも手伝って、疾患している方の顔面は明らかに弛緩している。おそらくは鏡を見ることを避けているだろう母にこの写真を見せたのなら、彼女はショックを受けるかもしれない。母は「あたしが選ぶから何枚か焼いてきなさい。この、変態末っ子!」と言っていた。
 だから、8枚のうち2枚をコラージュすることにした。ひとつはダリの髭バージョンで、もうひとつは白塗りのバカ殿バージョンだ。この、変態!
 もっと作りたかったが、プリンタのインクが切れやがった。みなさんに助言をば――「8色インクは面倒だからやめるべし!」
 
 最近、Wilson Pickett がいい。
 なぜか急に、無性に『634-5789』という、テレフォンナンバー・ラブソングが聴きたくなった。棚から引っ張り出して聴いてみると、やっぱり良かった。
 バンド活動に明け暮れていた高校生時代、ぼくたちのバンドではウィルソン・ピケットがアイドルだった。「ダンス天国」を始めとして、めちゃくちゃにパワフルでファンキーなんだけど、どこか哀愁のあるシンガーだった。「I'm In Love」を聴いて、ぼくはタイムスリップした。極めて童貞に近い、あの時代へ――。
 
 教訓:「金に困ってもCDは絶対に売るべからず!」
 
 
 いまwikipedia見てみたら、ウィケットって一昨年の今日に亡くなったみたい(スゲー偶然!)。なんかあるね、これ。
 ありがとう、ウィケット。今度、電話するよ。