男ギターについて

 
 下手くそなりの一家言、ライトニンですこです。
 
 なんとなくYouTubeでギター演奏の動画を漁ってみる。
 アマチュアでも驚くくらい巧い人もいるんだけど、やっぱり8割はゴミですね。アクセス順に並び替えてみると、アマチュアのレッスンビデオの人気があるみたい。ボランティアなのか知らないけど、人に教えるレベルじゃなかったことが哀しみを誘います。
 あんなのを見て練習したって巧くなるどころか、下手くそスパイラルに陥るでしょう。要するにですね、「タダで済ますな」ということですよ。身銭切ってCDなりを買いなさいよ。
 そんな中、途轍もないギタリストを発見する。
 

 
 山下和仁という有名なギタリストらしいんですけど、ぼくは予備知識なしで観てぶっ飛びました。神懸かりとはこのことで、この瞬間に世界中でギターを演奏していた人は沢山いたと思うけど、ギターの神様は彼だけに降臨しています。もう、なんか、気持ち悪いっ!
 クラシックでも、やっぱりギタリストは譜面を見ませんね。前から疑問に思ってたんだけど、カセットテープが普及した時点で譜面は御役御免だと思うんですね。だって、それがなかった時代の記録装置だったんだから。
 ですから、譜面を読めることが自慢にはならないと思いますし(むしろ少し恥じた方がいい)、ましてや譜面を見ながら演奏するだなんて怠惰の極みであります! 独演でもないオーケストラの連中がみんな譜面を見ているとか、ありえません! という、譜面が読めない人間の負け惜しみでした。嘘です。譜面なんか読めなくていいし、“読む必要はありません”。だって、耳と再生装置があるんだもん。
 
 これもたまたま見つけたブルース系のロックバンドなんだけど、ちょっと珍しかったので貼っておきます。
 

 
『The Carolyn Wonderland Group』というあまり有名じゃないドサ廻りのバンドだと思うんだけど、最初のカメラアングルでは「他に男のギタリストがいるんだろう」と思って見ていると、後半カメラが引いてギターが一人しかいないことに驚いた。なにが凄いかというと、サウンドが「男のギター」なんですよ。なるほど、よく見ればこのキャロリン、いかにも男勝りといった雰囲気の持ち主です。たぶん、クリトリスが、大きい。
 世の中に女性ギタリストは沢山おりますが、キャロリンみたいなギターを弾く女性はあまり存在していません。有名なところではボニー・レイットがいますけど、キャロリンに比べたら「まだまだ女のギター」です。
 ソロのときにアップでギターが映りますが、「男ギター」の秘密はここに隠されています。フェンダータイプのシングルコイルのPUセレクターがフロントにあり、フィンガーピッキング(サムピックを装着してるのかも)によるアタッキーな効果もありますが、肝は別のところにあります。
 終始、人差し指のヴィブラートがやけに大袈裟でしょう?
 キーはEで、ブルーノートスケールを主としたアドリブのなかで「3弦の12フレットを大袈裟にヴィブラートしてやる」ことで、“男ギター度”はグッとアップします。同時に強くピッキングしなければなりません。はじくのではなく、叩き付けるように、最大限にパーカッシヴに弾くのです。
 2弦の8フレットでも同じ音が出ますが、それじゃダメなんです。絶対にダメです。3弦の12フレットというのは最高の「男ギターポジション」であることを、彼女はよく知っています。弦楽器は真ん中に近い方がテンションが緩くより震えますし、3弦という太さがあの「男ギタートーン」を醸し出すのです。
 これを最初に演ったのはB.B.KINGで、それを強調したのがジミヘンです。若かりし日のぼくは、これを耳で理解しました。眼を瞑りながら、光が視えたのです。あの瞬間、嬉しかったなぁ(遠い目)。
 ギターキッズ諸君! いいか、人差し指だ! 人差し指で一音チョーキングをやってみろ! でも、やりすぎるとうざいから気をつけろ! キャロリンに負けるな!