答えがないからややこしい

 
 実働3時間、ポストタモリですこです。
 
 最近、あまり働いていない。だから気まずい。空いた時間を利用して、実家近くの区役所へ出向く。母の代理なので、書類や保険証や印鑑やらを忘れてしまうと出直さなくてはならないので、家を出る前に入念にチェックしても、なぜか忘れてしまう。最近まじで脳の老いを感じる。
 昼時に着いてしまったので、大いに待たされる。べつに昼休みなんだからいいんだけど、爪楊枝をシーハーしながらサンダル履きで横切られると、ちょっとむかつく。嗚呼、ぼくも世論に流されているなぁ、と自戒した。
 なんだかんだで2時間ほどかかり、朝から何も食べていないのですっかり腹が減ってしまった。地下にある食堂を覗いてみたが、ショウケースのサンプルからも公務の匂いが立ちこめていて、まったくそそられず。
 その足でビックカメラへ。DVD-RとL判のフォトペーパーが欲しかった。フロアを徘徊していると、キーボードのコーナーを見つけた。前回のラヂヲの時、キーボード係はヒロ吉だったんだけど、壊れかけのキーボードをタイプしながら「チッ!」と舌打ちしたのを、ぼくは見逃さなかった。だから買い換えることにした。
 以前と同じくマジェスタッチ、埃と灰が目立つブラック、今回は「かな無し」をチョイス。いま、それで書いている。打ちやすい云々よりも、キーを押して一発でちゃんと反映されるこの有り難さよ! なんという完動品! もう酒はこぼすまい。まあ、キーボードなんかなんでもいいんだけどね。そしてなぜか、アイロンを買ってしまう。なぜだ!
 無性にギターマガジンが読みたくなる。近所の本屋が潰れて以来、まったく読まなくなってしまった。駐車場は2時間無料、駅前のでっかいビルの5Fにある書店に向かって、奪うように購入する。いつ買っても、ギターマガジンはワクワクする。
 モーレツに腹が減った。10Fは飲食店がひしめいていて、以前から気になっていたあの店へ行ってみる――
「どうも〜ごちそうさまでした♪」
「待ちなよ、ネーチャン!」
「ハッ……!」
「まだ肉棒が残ってるぜ? ぐへへへへ!」
 もはや懐かしい。事件は風化するのだ。
 定番メニューらしい「ビーフペッパーライス」を食べてみる。フツーだったナ。頑張って下さい。
 
 ネット上には面白い文章がたくさんあるんだけど、作為的ではない面白さがある文章もたくさん存在していて、それはブログよりもオークションに多い。宝庫だ。なぜそうなるのかと言えば、他者を意識したことのない人が、とつぜん他者を意識せざるを得ない情況に陥ったからだろう。金銭が絡むとなると尚更で、その必死さと真摯な振る舞いが面白さに拍車をかける。見つけた彼の過去を抜粋してみよう(常にこの調子なのだ!)。
 

*ブラック色が、精悍な、いまは、新品では、手に入らない、ビルローレンスの、テレキャスタ−モデルです。独特の、ヘッドですよね。ミラ−ピックガ−ドです。中古ですので、傷すれなど、きになるかたは、入札を、控えてくださいませ。3日以内の、決済が、できるかたのみ、入札の、条件と、いたします。
 
*90年代に、発売されていた、レ−スセンサー3発搭載の、個性的な、ストラトキャスターです。木目が、みえている、シ−スル−ブロンド色です。ネックは、真っすぐで、フレットも、あまりへってません。傷も、目立つものは、ございません。ただ、3枚めの、写真の、ネックうらの、はめ込んである、木に、ほんのわずか、すきがあります。きに、なるかたは、入札を、ひかえてくださいませ。音は、いいですし、弾きやすいと、おもいます。格安スタートの、売り切りですので、おみのがしなく。

 
 まず、もの凄く読点が多い。けれど、読点を整理すればとても優れた文章になることがわかるし、もしかしたら作為的にひらいているのかもしれない! なんというか、彼は「話し掛けてる」感じがします。説明でも問いかけでもなく、ハンモックに揺れながら抱えているそのギターについて、あれこれしゃべっているようにも聞こえませんか。
 三浦つとむじゃありませんが、普通は義務教育の時に基本的な読点の打ち方は習っているので、みんなが知っているように思われていますけど、文章の書き方に答えなんかはないわけです。
 じつはぼくも読点についてはずっと悩んでいるんですけど(こうみえても!)、彼の文章を読んで、改めて考えさせられました。
 くやしいけれど、ぼくには彼の文章が絵本に視えたのです。なんて小さなことで悩んでたんだろう、と!