示唆確認

 
 ここしばらくの間、晩飯の食事制限を続けている。急にやっても良い結果が得られそうにないので、週の内で何日かを「りんごの日」と「もやしの日」にする、といった程度だ。一ヶ月以上経ったが、効果は、特に現れていない!
 しかし、「ああ、おれは食べ過ぎていたんだなぁ」と反省することはできる。ビールを毎日3リットルを呑みあげて深夜に飯をくってりゃ、そりゃあ肥るわなー。見た目は違うが、今のぼくのハートクレイヴはインドのサドゥーに近い――「汝よ、赦される食べ物とは自ら落ちた木の実だけなのだ」。あるいは、サッポロ一番塩ラーメン(卵&ねぎドッサリ)。
 もうひとつ、ぼくが肥った理由は、自炊がうますぎることだ。もともと料理が好きというわけではなくて、外食にほとほと飽きてしまったのが最初で、気がつけばブログにも料理について書くようになってしまった。鰹節でダシを取ってしまってからは、すっかり旨味に目覚めてしまい、以降は味噌汁・丼物を極めにかかった。こないだも、禁断のかつ丼を作った。もうね、店やれるわ。
 そして黄金のダシだけをストックしておいて、敢えてほんだしで味噌汁を作ってみた。
 まったくのお袋の味に、苦笑した。ほんだし、たまに喰うとめちゃくちゃ旨いんですけど!
 
 と思ったら母から電話、いきなり「有珠山噴火した?!」。
 焦ったね、イカレちゃったのかな、と。ここで狼狽えちゃイカンと思い、「爆発したのはママのアタマじゃないの?」という、高度なブラックジョークでその場を凌ぐ。柔道でいえば巴投げである。
 どうやら夢と現実が混同したらしい。これくらいのカオスならば、どんどんやっていただきたい。混沌の中でしか秩序は誕生しないのだから。
 
 久し振りにスーパーへ行くと、やはし食材が値上げされているが、リンゴは相変わらず128円だし、もやしは38円だったので、ぼくにはあまり関係ないことだ。こういう時こそダイエットのチャンスである。常々思っていたことなんだけど、ダイエットに金をかける人は本当の馬鹿だと思う。
 こうしてダイエッターを批判し敵を作ることで、ぼくの精神もダイエットできるという、一粒で二度美味しいと見せかけた合わせて三苦の四面楚歌。
 
 スーパーの出口に『taspo』の促進コーナーが設けられていた。おやと思い、「用紙だけ下さい」と言うと、係員が「無料でお写真をお撮りします」と言うので、頑なに断って紙だけもらってきた。
 モヒカンにしようか、アフロにしようか、ニグロパンチにしようか迷っている。いびつな形のスキンヘッドも面白いなぁ。あと、竜巻のピーとか(COLORS)。
 他人をコラージュするのは楽しいんだけど、自分の顔面を拡大してやるとなると、ちょっとゲンナリしてしまう。ナルシスティックな時期もあったけど、いまは自分の顔があまり好きじゃない。だからって、ナルシストを批判するわけじゃなくて、大いに結構だと思う。むしろ自分の顔を出さない人の方が、自己愛が強いとも言える――最近、思索を追い込むといつも無理問答になってしまう。ここはなんとかしたい。勉強します!
 みなさんも『taspoコーラージュ』やりませんか? もちろん、ぼくは先陣をきります。「パソコンがないしよくわからない」という人は、顔写真をぼくに送って下さい(なるべく大きな画像)。メアド(サブアド)はプロフィール欄にあります。心血注いでコラさせていただきます。
 こんな無駄な、くだらねえ税金の無駄遣いは、大いに遊び倒して、ブッ壊してしまいたい。そしてぼくは、断固として喫煙権主張する!
 たとえ法律違反でも、喫うやつは喫うし、規則を破ることこそが、彼ら未成年にとって本当の一服なのだ。それを善良な市民が止められるはずもないし、止める権利もない。かつてならば、地域社会が止めただろう。ぼくも経験がある。学生服で煙草を買いに行ったら、コンビニのおばさんが「ダメ!」と一喝しやがった。じんと来た。胸が苦しくなった。でも、喫った。バクバク喫った。だが今は、若者の蛮行に対して大人たちが怯え狼狽えた結果のtaspoなのだ。つまり、大人の威厳が自販機任せになるまで地に堕ちたのだ。
 ちなみに、こないだ実家に行くついでにコンビニへ寄ったら、あのおばさんがいた。もう15年以上経ってるのに、相変わらず気の強そうなおばさんだった。ちょっと神々しかったね(ただのババァのくせに!)。ぼくはたぶん、社会や自分が歪んだときに、おばさんを想い出すだろう。そしておばさんが死ぬだろう時期に、通夜に参列する自分を勝手に想像をして、線香の代わりに煙草を立てる。
 
 犯罪マニアのぼくには、通り魔事件や電車突き落とし事件を起こした若者たちの気持ちが、ほんの少しだけわかる。親が奴隷みたいな労働環境下にいたら、子供はどう思うだろうか。
 ネットや、求職中の知人の話を聞いても「ロクな仕事がない」らしい。あいや、ぼくもロクな仕事をしているわけじゃないけど、どうやら不吉で充満してるらしいことは、たぶんみんなが感じていると思う。
 現在の日本では火花が飛び交う戦争こそないが、そんな面倒臭いことをやるまでもなく、経済で戦争が行われているのだろう。湾岸戦争すら、もはや懐かしい。
 
 これからどうやって生きていけばいいのかを考えながら、鼻孔から紫煙を噴出させて、自らの欺瞞に咽せ返っている。
 しかも便意を催している。
 そしてその後に、オナニーをしようと考えている自分がいる。
(あ、ティッシュの残量を確認した!)