ねむたい話さ

 
THE OUTSIDER』熱いまだ冷めやらず、昨夜は遅くまで隠し撮り動画のうp待ち。予想通りグダグダな展開だったが、胸が熱くなる。黙ってれば伝説のままでいられるのに、なぜ戦うのか。
 5時に目を覚まして、新宿侍のブログをチェックするも、更新されておらず落胆、二度寝する。
『新宿侍』と書いているのは検索ヒットを回避するためで、おそらく彼はこれからどんどん有名になるだろう。体裁や文法は滅茶苦茶だが、先天的な才能なのか、非常に惹き付けるちからがあるブログなので、アンテナに追加しておこう。
 ぼくのおそろしくアテにならない勘によると、新宿侍には時代が求めているオーラがあり、華がある。三島由紀夫をして「今世紀最も異様な華」と言わしめた稲垣足穂ではないが、途轍もない個性がある。漫画から飛び出してきたような男――いや、漫画家の想像力を越えた男だ。
「真のアウトローがブログをやるわけがない」とは早計で、それはすべての自伝書を否定することになるだろう。書籍が売れない理由がよくわかる。ぼくは彼のブログに金を払いたい――払わないけど(おいこら)。
 
 ジョン・レノンのイマジンを鑑賞する。いい男だが、きちがいじみてる。円い鼻眼鏡が似合うのは、ジョンの鼻が高くて、端から垣間見える眼が鋭いからであって、一般的な日本人が真似ても山本晋也に成り果てるか、せいぜい嘉門達夫だろう。
 印象的だったシーンは、ガラスのような瞳を持ったファンと思われる青年が「あの歌詞は僕が思っていることそのままだ」と訴えて、それをジョンが諭す場面だった。
 もうひとつは、レコーディングを終えたジョンが顔を歪めてフィル・スペクターに感謝するシーンだった。それは異様な表情で、何度も再生した。なんというか、青年もジョンも、カルトじみていて、それはたぶん一過性のものだろうと思われた。
 
 ノラ・ジョーンズのライブを鑑賞、初めて視聴するが爆発的に売れたらしい。エキゾに可愛い。調べてみるとラヴィ・シャンカールの娘らしい。混血の人間には不思議な魅力があって、それはあたかも世界平和の象徴にも見える。混じることで進化するのは音楽も人間もいっしょなのか。
 しばらく鑑賞していたが、途中でやめる。こりゃ垂れ流しだ。やはり、名曲は少ないから名曲なのだ。とはいえ、雰囲気だけで一生分稼ぐこともできて、それはまったく羨ましい。
 
 ドアーズのライブを鑑賞。自称ロックマニアだが、ドアーズのCDを一枚も持っていないことを告白しよう。
 バンドにベースがいないことに驚いたが、ハモンドだろうか、どうやらオルガンが鍵盤でベースを弾いているようだ。ロック界のジミー・スミスだ。
 ギタリストはSGで、指弾き。よく見ればなるほど、オルガンのソロでベースがおろそかになったとき、ギターがベースラインを弾いている。よりファットな音を出すための指弾きだと思われる。
 ほとんどがブルース調のロックだが、当時無数にあったブルースロックバンドの坩堝でドアーズが抜きん出た理由は、このバンド編成にあると思う。もちろんジム・モリソンはかっこいいが、バンドの演奏も素晴らしいじゃないか。これはプログレの夜明けであり、そのドアを開けたのは彼らだ!――などと、初めて真剣に聴いた人間が言ってみるテスト。
 
 人はなぜ戦い、創り、唄うのだろうか。
 考えてたら眠たくなってきたので、もう寝る。