ドーモ、ぼくです

 
 ご無沙汰ニックマジェスティーズです。高校生の頃によく聴きました。「She's A Rainbow」が好きでした。英語が解らないので、いったい彼女の何がレインボーなのか不明でした。パンティの柄が七色なのか、それとも派手なくせにすぐ消えてしまう儚さを比喩しているのか、はたまたジェリービーンズをしこたま食べた後の吐瀉物のことなのか、などと想いを巡らせながら、キンタマを握り締めつつ眠りに落ちる青春の日々で御座いました。
 ストーンズといえば最近『Shine a Light』という、スコセッシ監督のドキュメンタリー映画が上映されているようで、札幌ではシアターキノで観られるようです。
 個人的にスコセッシといえば、不屈の名作『タクシー・ドライバー』よりも『ラスト・ワルツ』が印象深いです。かつてAmazonにてDVDが980円で投げ売りされていたときにアナウンスしたはずですが、みなさんお買いになりましたでしょうか。ニール・ヤングエレキギターがもの凄く良い音なのです。
 N村さんから「ストーンズの映画観てから呑みに行こうよ!」などと極めてホモ的に誘われたのですが、肛門にマーガリンを塗り終わった直後にお金がないことに気づき、そこはネコらしくキュートに「行けニャイ!」とお断り申し上げました。
 どれくらいお金がないのかというと、人生初の給料前借りをするくらいでして、車検や火災保険の支払やらでピーピー言っとるわけです。人に借りをつくることが嫌いなぼくにとって、給料の前借りという行為は金の無心にも等しい屈辱的なものなのですが、その足で早速ビールとピノの期間限定アソートを買うという自分が愛しくて堪りません。誰も追いつけないくらいの軽薄さとは、すなわち風であります。スカートめくりの好いところは、その刹那的なところにあるのではないでしょうか。あれはセクハラではない――人のかたちをした風である!
 現在のぼくは「保険的なもの」によって貧しいわけですが、社会保障を除く保険というものは(いや含むか)、備えあれば憂いなしというよりも、まだ起きてもいない恐怖に怯えているという心理があると思われますし、保険というよりも投資に近い側面もあり、というか投資そのもので、実際に保険会社は集めた金を投資によって運営していたわけですが、それが破綻したとなった今、「保険的なもの」をもう一度考えるべき時期に来たわけです。怯えつつ期待するという時点ですでに破綻しているということに、そろそろ気づかなければなりません。
 テレビのニュースでは連日景気の悪い話が続いていますが、大衆の不安を煽ってしまうためなのか、インターネッツに比べて遅延が甚だしいわけです。敗戦後の玉音放送ではありませんが、テレビで放送したということはもはや崩壊を意味しているのです。
 派遣切りが横行して経営者が叩かれていますが、あれはつまり正社員たちが「俺らのボーナスがなくなるなら派遣を捨てろ!」という意思表示であって、経営者だけを叩くのはお門違いだと思います。もっとも経営者とはそういうものなのですが。
 安く派遣を使って散々儲けたくせに突然の首切りだなんて、本当に非道い話です。「おれがおれが」という醜態によって世界が混乱しているのにもかかわらず、未だにです。
 でも、まあなんとかなると思います。ぼくは当事者じゃありませんが、そうだったとしても「なんとかなるべ」といいちこ(20℃)を呑みながら言っていたと思います。
 ぼくはね、知っているんです。みんな人の役に立ちたいんですよ。感謝されたら嬉しいんです。楽しませて笑顔を見たいんです。そういう風な相手の反応を感じて自己を確認し、互いに対価さえも得る時代がいずれ来ると思います。
 まあその時ぼくは生きていないかもしれませんが、まったく構いません。素敵じゃないか!
 ありがとうございました。