久し振りの当日日記

 
 一番初めにスタンディングオベーションを始める人と、一番最後にスタンディングオベーションを渋々始める人は、共に芝居がかっているのでたぶん両者ともサクラだろう、ことスタンディングマスターベーションですこです。学術用語ですと『立ちコキ』となりましょう。
 昨日書いたCDは、実は10年前に発売されていた事実をJapan Overseasさん(以下 JO)とのメールの遣り取りで知る。おれが発売を知らなかったのは、JOがネット販売を始めたのが最近だからだろう。思えば10年前はTFUL282の全盛期だったと思う。そこですかさずコンタクトを取り日本のみでベスト盤を発売したJOの炯眼と行動力にただただ感心するのみであります。来日も予定していたそうだ。やはりね、関西圏は(JOは元々大阪)非常に進んでいるんですよ。そうしてJOとメールの遣り取りが面白かった――
俺「これからも岩陰でひたすら輝く玉虫をリリースして下さいね」
JO「今年はクジラの声をリリースします。しばらくは人間のリリースに戻れそうにありません
――と。
 僕は凄すぎて畏怖を感じたね。一瞬、リリースの意味がよく解らなくなった。狭い日本ですが色々な人が居るんです。売れる商品しか置かない大手ショップに比べれば、JOのやってる事には愛がありますよ。パイド・パイパー・ハウスが無ければ、山下達郎が代表する現在の日本のポップミュージックは生まれていない訳ですからね。JOや長門芳郎氏のような存在は貴重且つ重要なんです。
 ネットは非常に便利だが、おれが血眼で音楽を探していた時期にはネットなんか無かったし、無くとも入手できた。そりゃあネット経由よりも手間暇がかかったし決してお手軽じゃあなかったが、今にして思えば当時のおれの情熱は凄かった。ネットの普及に反比例して地下で音楽が盛り上がるだろう、と僕は思っている。事実、札幌と云う地方都市ですらライヴハウスはどんどん増えている。IT企業が謳うようにネットは席巻するのかも知れないが、一番困るのはたぶんタウンページだろう。取って代わると言っても、その程度に過ぎない、と僕は思っている。アナログ VS デジタルという構図は極めてナンセンスだと思うんですが。