耳を澄ませば事実が匂う

 
 意外と子供好きなですこです。
 特に赤ちゃんの匂いはたまらなく好きです。あの匂いだけでも子供が欲しくなる、そんな匂いです。
 水木しげる氏は戦時中、切断された片腕の傷が治癒してゆく過程で「傷口から赤ちゃんの匂いがした」と言っておられましたが、これは本当なんだろうと思います。
赤ちゃんの匂いは、嗅いた人にもの凄いパワーを与えるんです。
 お父さんの挫折も、致命的なダメージも、赤ちゃんの匂いによって克服されるのです。赤ちゃんって、素晴らしいですね!
 
 広島の女児殺害事件でペルー人が逮捕されたわけですが、DNA鑑定でも合致したようですし犯人である事はほぼ間違いないかと思われます。
 僕は、なぜ死体をダンボールに入れたのかが理解できないでいましたが、昨夜やっとわかりました。
 犯人はごみ収集車がダンボールごと破棄してくれる事を期待していたんですね。しかしその日は収集日が違い、ダンボールは現場に残ったまま――事件発覚。
 僕は脳内で犯人像をプロファイルしていたんですが、外国人だとは全く思いませんでした。無職で車ナシの近隣住民だとは思っていましたが、なるほど、大胆且つ短絡的な犯行の所以は、逮捕後に合点がいきました。もしこれをプロファイルできた人が居たのならば、賞賛に値します。
 子供を殺すと云う酷い事件だが、犯人は死刑にはならないでしょう。誘拐殺人でもなく計画的でもないのならば、最高でも無期懲役、上限は20年ですが仮出所がありますのでもっと早く出所するはずです。しかも外国人ですので“不可解な酌量”が認められるやも知れません。
 果たしてどうなるのでしょうか。判例から察するに二桁はいかないように思います。量刑確定までには数年を要しますので、その頃にはこの事件も風化している事でしょうし、同じような事件もまた起こるでしょう。
 被害者の御両親はさぞかし辛く無念に打ちひしがれておられる事でしょう。もし、死刑ならばどうぞ御両親に手を下せてあげて下さい。刑罰の種類は裁判官ではなく、御両親が決めるべきだ、と思いますが、我々は報復の権利を国家に剥奪されておりますので、それは無理な相談です。
 不条理はニュートリノのように不可解なまま我々を満たしているように思えます。まったく非道い話です。でもそれが人生なのかも知れません。切り拓く前に切り裂かれちまうんだ。
 
 こういった事件が乱発すると、見知らぬ子供に話し掛ける事もはばかられる。世間は保守を通り越して、攻撃的になってくるだろう。只でさえアヤシイおれは、一体どう振る舞ったらいいのだろう?
 おれなりに子供たちに愛される術を考えてみる――
 
・終始笑顔で
・話し声はコナン風
・いつも右手に綿飴
・常に口の周りに生クリーム
・ボンボリ付きニットキャップ
・限界まで吊り上げたもっこりサスペンダー
・毎週日曜日はピカチュールックで練り歩く
・車はマイティボーイ
・竹から育てる竹とんぼ教室
サイケデリック紙芝居(配布する飴はLSD入り)
・ひとりお医者さんごっこSHOW
・真夜中の崖っぷちでたかいたかい
・過疎地のマンホール内でひくいひくい
・野球チーム結成、朝練は午前3時より
・空手道場開設、ベスト・キッドの鑑賞のみ
・屠殺から始めるポークチャップの作り方
・正しい爪の切りかた講座(講師:チョコボール向井
・正しいパーマのあてかた講座(講師:貴乃花親方)
・正しい落ちぶれかた講座(講師:森脇健児
・不正マンションの正しい売りかた講座(講師:小嶋社長 feat.姉歯&All Stars)

 
――ヤバイ、なんて素敵なグダイデア、こりゃ集まるぞ。子供たちに胴上げされるかも知れない。親に殺されるかも知れない。