ごちゃごちゃ日記

 
 パンプスという言葉が好きなですこです。実態と呼び名が合っていないような気がしてなりません。
 今日の日記は長いかもしれません(自分じゃよくわからない)。
 

 前日、焼酎を一杯呑むも体のむくみと眼球奥に違和感を覚え、土曜クセのに24時就寝、と侘びしい週末。
 焼酎のペースがわからない。三日で1.8Lを空けるというのは呑みすぎなのだろうか。なんにしても焼酎は好い。翌日に残りにくい=朝に咽喉が乾かない。これがビールやウヰスキーの場合だと、渇水で夜中に目が覚めることもしばしばだし、朝一番のコップ水は大自然と水道局に感謝する数少ない瞬間でもある。そういったリスクが少ない焼酎という酒は、極めてクールで合理的な酒と云える。
 
 邦山照彦著「アル中地獄」を読み終える。アル中の幻覚は他の薬物よりも凄まじいことを知る。ドラッグマニアのわたしが読んでも、アル中のソレはリアリティにおいては恐らく最強だろうと思える。なぜならアル中になるまでには数年を要すのに対し、他の薬物はソレに比べると耽溺までの期間はずっと短い。中毒になるまでの期間が長いほど治療は長引くし、なまじシラフ寄りでジワジワと浸食されるだけに自己の葛藤も強く長く、末期になるとそれらが幻覚に顕れるのだ。アル中が視る幻覚のリアリティは、罪悪感の強さと比例するものと思われる。ネガティヴな幻覚は無意識下で蠢いている自己処罰の顕れなのだろう。
 日本は酒精天国であることも再確認する。酒の席で仕事の話をするなんて、他国ではありえないはずだ。テレビを見れば酒のCM、国道を走ればビールの巨大広告、スーパーに行けば酒コーナーにいる売り子etc.。
 こういったアル中の赤裸々な手記は日本では特に珍しい。酒を造る会社はもはや巨大且つ超優良企業である。そういった会社の広告収入は出版社にとって非常に重要なウェイトと占めるだろうから、例え面白くとも出版はできない。そこで第三書館の出番ですよ。
 わたしが「第三書館は面白い」といったのはそういう事である。原発反対を謳って東芝からドロップアウトしたタイマーズと同じである。ロックだぜ! キヨシロー!
 これだけ溢れている酒の席や広告にまみれながら見事に酒を断ち、酒を飼い慣らした邦山氏は賞賛に値する。
 お酒を嫌いな人は「ケッ! だったら最初っから呑まなきゃいいじゃねーか!」と言うだろうが、わたしは下戸が酒宴を好むのを知っている。
 自分は呑まなくとも、酔っぱらいを観察するのが好きな人は意外と多い(泥酔は上戸だって嫌いさ)。運がよければ呑まないぶんだけワリカンの会計は安く済んだりもする…呑まない以上に喰ったクセに!
 それ以上に「酩酊している人の失態」を楽しんでいるに違いない。普段は無口な人が本性を呈す現場は誰が見たって面白いのだから。しかも酔った演者と違って、下戸の観客は翌日の後悔もない。
 翌日、彼に「おれ、大丈夫だったかな?」と訊かれればしめたモンだ。
「酷かったよ! 憶えてないの?」と答えれば彼をドン底に陥れることができるし、
「大丈夫、ぜんぜん平気だって!」と励ませば彼はあなたをマリアと視るだろう。
 どちらにしてもイニシアチブを握れることは確実である。
 そう考えると、お笑い芸人っちゅーのは凄いね! ちんちん出す芸人とか、わたしは本当に尊敬してます。
 真のエンターテイナーは、演じた翌日は毎回首を吊りたいのかも知れない。
 お客さまは閻魔さま!
 
 
 9時に起きる。Amazonが来るからだ。時間指定ができないのが憎らしい。起きてすぐにシャワーを浴びたかったが、いつ来るやもわからないので顔だけ洗う。早く来い!
 12時、マルチャンダブルラーメン味噌味を作る。ダブルラーメンというだけに、一袋に二人前入っている。本来まとめて二人前作るべきソレを、分けて独りで喰うというのはじつに侘びしい沙汰である。だがその侘びしさこそインスタント・ラーメンの本質なのだ! と自分に言い聞かす。
 食べ終え、残りの一人前をゴムで封をする。「家に帰るまでが遠足」のように、ダブルラーメンもまた、封をするまでがダブルラーメンなのである。
 13時、チャイムが鳴る。本当は猛ダッシュして満面の笑みで配達員を迎えたかったが、息を殺し黙って押印。
 ドアを閉め驚喜しながらダンボールをブッ千切る。全ての品物のレビューは面倒だし需要もないだろうから、キリンジ兄弟の「馬の骨」と「堀込高樹」を聴いた感想を述べよう。
 わたしは聴く前からわかっていた。高樹お兄ちゃんの方が良いだろうな、と。実際、お兄ちゃんの方がずっと良かった、これは優劣ではなく好みの問題だろう。
 キリンジのアルバムで唄うオマケみたいなお兄ちゃんの曲を、わたしはとても高く評価していた。
 一曲目からわたしは「キター!」と喜んだ。例えばXTCで云えば The Ballad of Peter Punpkinhead のような開放感に満ちていた。弟の方にはその開放感がなかったし、曲のクオリティもお兄ちゃんの方がずっと高い。さすが“兄”である。マジで日本の宝だ。凄い兄弟だ!
 キリンジという奇跡の兄弟の凄さを再確認した。次作が楽しみな数少ないアーティストである。こいつら、やっぱりホンモノだ。
 13時から21時までオーディオ鳴りっぱなし。