死ねないだけさ

 
 今日は義兄の誕生日です。お兄ちゃん、元気ですか、ですこ弟です。
 
 毎日忙しいのです。こないだ部屋を片付けてよかったなー、と思います。疲れて帰宅して部屋が汚いと酒が進んでヤバイのです。
 忙しいからといって嫌々働くと精神衛生上よくないので、そういう時は「時間を売るロボット」になるのです。一見従順にみえますが、実は非常にしたたかな生き物のです。さっきまで「ハイッ!」と背筋ピーンだったのが、終業と同時にチンピラへ早変わりするのです。
 こう書くと「げんきんなヤツだ」とか言われますが、それはすなわちメリハリと同義語であり、「やる時はやる」という最も能率がよい状態なのです。
 わたしは就業中は誰よりも高効率かつ従順かつ冷静なのです。なにをどうすれば一番よいかを常にフル稼働で考え、行動しています。ですから、終業後にゴチャゴチャ言う輩はピコピコハンマーで撲殺したいのです。
 ダラダラと仕事が遅延して「あー時間がないなー」とか言ってんじゃねぇよバカ。おれに仕切らせろ。おれは凄いぞ? 革命が起きるぞ? なぜならおれは誰よりも「早くお家に帰りたいっ!」と強く思ってるんだから。
 ですからわたしは、忙しくなると取り乱すヤツを見ると蹴っ飛ばして海に沈めたくなるのです。そういうヤツは普段ダラダラと仕事をしているから繁忙期になるとおっつかなくなり、足りない脳味噌に鈍い神経がついていかねーんだよバカ。マジックハンドで絞殺したいのです。
 労働者はその“労働時間”を売ってその対価として賃金を得る訳ですから、“身売り”とはまったく違うものです。我々は奴隷ではないし、奴隷だとしてもパートタイマーであるべきです。
 最近急増している人材派遣の人々も給料は安いですが、正社員よりも「身売り度は低い」と考えれば少しは救われるのではないでしょうか。空いた時間で趣味に没頭できるじゃないですか(趣味も楽しみもない? そういう人は上に立つべきじゃない。その所為で世界は歪むことすら自覚していない人は、やはり人の上に立つべきではない)。
 そのぶん「保証もないぜ!」という批判はごもっともですが、自由と自己責任はワンセットであり、リスクのない愉しみを得ることはもう無理だ、ということを自覚するべきですし、そろそろ「誰かが保証してくれるサ」という幻想から脱却すべきなのかも知れません。
 不景気というのは、希望的観測が通用しない状況を指します。飢餓とはうんと遠い状態、とも言えます。つまり、たいしたこたぁねぇんだよバカヤロゥ。
 甘やかなファンタジーが通用しそうな働き口を探し、四六時中他人と比べ、落ち込むよりも、潔く諦めてなにか別の方法を探す方がより建設的だと思うんです。
 その究極は起業であったり、ドロップアウトだと思うんです。わたしは起業は、ドロップアウトだと思います。既存からの脱却に必要な勇気は、ジャンキーの堕落の快感速度と同じです。
「起業なんかできねーよ!」と思うのは当たり前ですが、でも起業という目標があれば日々の辛い労働にも耐えられるのではないか? とわたしは思いますし、より思慮深く、有意義に日々を過ごせるでしょう。短刀を携えた丁稚は毎日ワクワクしているはずですし、それらを通過した起業家は“昔の自分に怯えることだってできる”のです。
 給料は安い、残業代は出ない、誰も保証してくれないetc.、そんな風に毎日抑鬱になっている人はバカなのかも知れませんよ。考え方ひとつで薔薇色とは言いませんが、セピア色の念写は回避できそうです。
 出所もわからない灰色の世界にうつむいて身を委ねるよりは、フルチンでハンマー投げをした方がよいのかも知れませんよ。
 だって、人生って一度きりなんだもん。起業なんかしなくともさ。
 
 ですこからですこへ