みんなあたまがよいのだな

 
 禁酒をやめたですこです。なぜなら、いつでも酒をやめる事ができるという自信がついたからだ(カックイー)。
 
 休日。今日は病院に行って主治医のお話を聞き、手術の同意書にサインをしなければならない。11時ということなので9時に起床しシャワーを浴びて頭を乾かしていると、母から電話が。
「起きてたかい」
「起きてたさ」
「回診が早く終わったから早く来てだって」
「えー、はい」
 頭を濡らしたまま自転車で病院へ向かう。今朝はとても寒かった。それにしても自転車という乗り物は非常に便利なのだな。信号無視がバンバンできる。もっと上等な自転車が欲しいな、拾ったヤツじゃなくてさ(コラー)。
 
 2Fへ上がるとロビーのテレビの前に母が居た。
「なにそのアタマ」
「おたくの主治医のせいさ」
 
 主治医は大柄な、年の頃なら五十くらいだろう。センター分けの青年の助手を連れていた。ぼくは初対面の人に会った時に必ず手指を見る癖があって、その人の職業や趣味を想像するのが好きだ。主治医の指は大工みたいに太く、そのゴツイ手で用紙にサラサラと器用に舌の絵を描いて手術の説明を始めた。「さすが医者じゃのぅ」と感心してしまった。
 内容のほとんどはネットで調べ尽くした事とほぼ同じだった。ひとつ感心したのは、切除した舌の傷口に腿の皮を移植する事だった。太腿の内側の皮を長方形に切り取り、更にそれを半分にする。片方の正方形は舌に、もう片方はメッシュ状に加工して引き延ばし、元の場所に戻す。そうする事で双方の皮膚は再生しやすくなるそうだ。なんたる叡智か。
 そういえば昔、義兄が車のドアに指を挟めて千切れそうになった時、尻の皮膚を切り取って移植してたっけ。病室の義兄は尻を見せて「花札」と言っておれを笑わせた。
 
 腫瘍には良性と悪性があって、後者を癌と呼ぶ。良性を白、悪性を黒とすれば当然灰色もあるそうだ。白に近いものもあれば、黒寄りもある。主治医は真っ黒な悪性を「暴れん坊」と呼んでいたのが可笑しかった。
 こうして第三者として医者と話すのは初めての経験だが、医者というのはさすがに聡明なのだな。解り易く伝えようとしているのがよく判った。まあ、慣れだろうがね。取りあえずは彼がデッサンした舌の画を見て、おれは安心したんだ。器用な人だろう、とな。
 
 サインを終えて売店に行ってみる。売店というよりもスーパーだった。デリカの総菜、ボストンベイクのサンドイッチ、格安のカップ麺etc.、もう、なんでもある。カップ麺なぞは入院患者にとって体に悪かろう。病院にとってこの売店は、白に近い黒なのだな。
 帰り際、すぐ近くにある、以前から目をつけていた物件に立ち寄る。やはり空室だった。彼女が退院したら交渉してみよう。
 手術は明日である。舌をちょっと切るだけだ。もみあげを刈るようなもんさ。
 
 
 ところで、松本人志がコントを撮っているのは知ってますか? でもそれはテレビでは放送しない事を知ってますか?
 それは「第2日本テレビ」というVOD(ビデオ・オン・デマンド)で放送されるのです。パソコン、それもWindowsじゃないと視聴は出来ません。本編はまだ観られませんが、メイキングは無料で視聴が可能ですので、興味のある方はご覧下さい。
 第2日本テレビには結構たくさん魅力的なコンテンツがあって、特に岡本太郎の無数の映像は必見であります。やっぱすげーなー、あのジジイは。だって死なないもん。
 そんな訳で、パソコンを持っていない方は買った方がいいですよ。スポンサーのしがらみによって今まで出来なかったコントとかが、これからはVODで放送されるはずです。たぶん一編100円くらいの有料ですね。やはりお金は払わなきゃダメだと思うんです。タダで観といて「アイツ最近、毒がねぇなぁ」とか言ってんじゃねぇバカ。
 
 そんな訳で、わたしは第2日本テレビを応援します!