闘病日記#2
4/12 0:00
空襲のような便意で飛び起きる。走って便所まで行ってパンツを下ろしたと同時に、学生運動を鎮圧した機動隊の放水のような勢いで水状のうんちが出る。
0:00
放屁をしたいが、ベッドではできない。必ず、実を伴う。コードでいえばE6だ(ミのシックソ)。付き合い始めたばかりの恋人たちのように、放屁をしにわざわざ便所へ行く。鋭い水うんちが出る。「尻の中でテッポウウオでも飼ってんじゃねーの?」って案配だ。術後の母の苦痛が、おれに転移したものと考え、就寝を諦める。
5:00
知らぬ間に眠っていたようだ。パンツをチェックす。大丈夫だった。解熱剤を飲んで再度眠る。
8:00
休みたいが休めない。この状態でのお仕事は非常に辛い。おれが思うに「普通の会社」とは、病欠が可能な会社である。おれのは、まともじゃないぜ。
10:00
抜け出して病院へ行く。聴診器と触診で「急性胃腸炎じゃのぅ」との診断が下る。その間三分、さすがプロである。二日分という薬の量は少ないと思えたが、それだけ早く治るという太鼓判だと解釈した。
12:00
蕎麦を食うもほとんど残す。
15:00
早めに帰宅させていただく。なぜなら今日のこの時間から室内の火災点検に来るからだ。草臥れて無愛想な対応をしてしまった。なにより部屋が汚かった。
16:00
ベッドに倒れる。処方された薬の効き目は、いまのところ全くない。眠る。
20:00
食欲はないのに腹が減る。コンビニへレトルトのお粥を買いに行く。詰め込んで、眠る。
4/13 0:00
起きあがりネットで急性胃腸炎を検索する。ほとんどは二三日で治るようだが、それは仕事を休んで安静にしている場合だった。うらやましいことだ。このぶんじゃ長引きそうだな、と落ち込み、就寝す。
8:00
起床。幾分かラクになった。出勤す。
12:00
二日ぶりに小便が出る。いままでは汗と尻からしか水分が放出されていなかったが、ついに出るべき所から出たのだ。治った、と確信す。
18:00
帰りがけにコンビニでうどんとビールを買う。体温は37℃、厭な予感はまったくない。安心してビールを飲む。乾杯!
急性胃腸炎は別名「おなかの風邪」らしい。予防はやはり手洗いうがいに尽きるだろう。この病気はマジで辛いので、みなさんもお気をつけ下さい。罹ったとしてもわたしのように二三日で回復へ向かう事でしょう(食中毒系の場合は除く)。
とにかく病院は利用するべきです。もしわたしが病院へ行かずに薬局で薬を買ったとすれば、3千円は間違いなくかかりますし、薬も余ってしまいます。それが病院だと全部コミで千五百円で済みました。え? 保険証がない? 誰かに借りなさい。ただその場合、持ち主の住所は暗記しておくべきです。