漫画は面白いなぁ

 
 初オナニーのおかずは、本宮ひろ志の「俺の空」だったですこです。実話です。
  
 なんだか急に本屋へ行きたくなったので、コーチャンフォーという巨大書店に行く(ホントにでかい)。
 まずは右端の音楽本コーナーを凝視して「相変わらず英国ロック辞典は売れ残っているナ、欲しいナ」とヨダレを垂らしつつ、外回りで画集コーナーを物色し(ベン・シャーンのが欲しいのだ)、漫画コーナーには入らず左折して雑誌コーナーに行って音楽雑誌を読み漁り、もう一度振り出しに戻って今度は蛇腹に攻めていく、というのがいつもの僕のルートです。
 欲しい本は沢山あったけれど、積ん読がまだ沢山あるので我慢する。しかし車谷長吉の本は読んでみたかったので、検索タッチパネルなる便利な代物でチョウキツさんのコーナーに辿り着く。数冊の文庫本があったが、なにを読めばいいのか判らない。長編よりも短編が読みたい。目次を見て短編集の文庫を数冊まで絞り込む。
 僕はイヤラシイ癖があって、文庫の場合は巻末の解説から読んでしまう。数冊をケツから捲り、吉本隆明が寄せていたので「これっきゃない!」と、《盬壺の匙》に即決する。誰が解説しているかで文庫のレベルはある程度わかる、と独断している僕です。読むのが楽しみだ。
 世界的に見ると日本の物価は高いかも知れないが、先進国の中でも日本の本はバカみたいに安いそうだ。それはたぶん文庫本を指しているのだろう。だって安いもん、500円とかだし。それも、あとがきや解説が付加されていてさ。
 人生は短いけれど、素晴らしい本は腐るほどあって、とても読み尽くせない。安価で贅沢な悩みだね、ありがたいね、素晴らしいね。CDも500円ならいいのにネ!
 
 漫画コーナーを曲がる頃、今更ながら、話題の吾妻ひでお失踪日記」を思い出す。遠く離れた検索機まで行って、棚番号が記されたメモを睨みながらブツを取りに行く。
 
 2時間以上彷徨ったが、買ったのは挙げた二冊。それでも、とても満足している。たくさん立ち読みをさせていただいた。本屋って、ありがたい。
 CDも試聴したかったが、国内版しか扱っていないので聴きたい音源はひとつもなかった。CDに2500円払うくらいなら、文庫本を5冊欲しい。そんな気持ちにさせるって事は、やっぱりコーチャンフォーは本屋なんだなあ。文庫の品揃えはAmazonよりも勝っていたしな。
 
 帰宅後、失踪日記を一気に読み耽る。めちゃんこ面白い。すんごい久し振りに漫画を読んだけれど、漫画っちゅーのは最高に面白いね! 麻薬だね。
 文庫の癖と同じく、僕は漫画本を買った際にカバーをめくる癖がある。そしてやっぱりカバーの裏に「裏失踪日記」のテキストが在った…やっぱりな。
 ハードカバーはちょっと高価だけれど、そのぶん遊べる。吾妻ひでおも例外ではなかった。僕のこの癖は、和田ラヂヲから学んだ。
 小説家もハードカバーで遊べばいのにな。気取ってんじゃねーよ。そう思いませんか。