不安定な気持ちよさ

 
 小指が004、ですこです。
 
 YOU CAN'T GET THAT STUFF NO MORE / Tampa Red
 
  密造の猿があそこに住んでた
  法の手が入り、閉鎖になった
  今じゃアレは、手に入らない
  頑張ったって、買えないんだ
 
  ダンゴウ・ヒルのあの場所だ
  女はつかまり、蒸留器は没収
  今じゃアレは、手に入らない
  頑張ったって、買えないんだ
 
  スザンヌの奴は、髪油を売ってた
  警察署長と面倒なことに
  今じゃアレは、手に入らない
  頑張ったって、買えないんだ
 
  ジョーはでっかいナイフを持ってた
  誰かがそういつの女房に手を出して
  今じゃアレは、手に入らない
  頑張ったって、買えないんだ
 
  ステート通りで配っていたけど
  金を出しても、今はだめ
  今じゃアレは、手に入らない
  頑張ったって、買えないんだ
 
  街には女がいたけど
  それも法が追い出した
  今じゃアレは、手に入らない
  頑張ったって、買えないんだ
 
 
 仕事を終えた帰宅後、またもや河川敷をひた走る。乗り始めた当初は、町中を走っていてもそれなりに楽しかったが、いまやもう河川敷までの道のりが鬱陶しく、信号が邪魔で仕方ない。
 今回は北側のCRに乗って北上を試みる。しばらく走っていると景色は段々と寂れてきて、路面状態もあまりよくない。驚いたのは、たくさんの家族連れがバーベキューを愉しんでいる事だった。いい匂い。だがCRに飛び出してくるキッズ達は、正直邪魔くさい。週末のこのCRは二度と通るまい。愉しんでくれい。
 途中で、工事中の為か、迂回の看板が。舗装道路は途切れているが、砂利道は続いている。我はMTBなり! ってことでそのまま進む。2メートルほどの植物のアーチをくぐりながらグイグイ進む。ちょっと怖い。なんか、ヨダレを垂らした狂犬病土佐犬が飛び出して来そうな不吉――
 とここまで書いているとヒロ吉から電話が。さとしと一緒にアンプを取りに来るとか。日曜午後のまったり空間を、彼らに切り裂かれたって訳さ…それも土足で!
 数十分後、オートバイの爆音が。ドラッグスターである。押したのは初めてだが、あまりの重たさに驚く。なんちゅーパワーロス。
 スーパードライと(プレミアムモルツって言っただろ!)、爺臭い菓子群、セイコマの麺類が三種(なんでやねん)。噂の100円焼きそばが意外と旨いのは、ラードで焼いているからである。肉はほとんど入っていないが、脂の旨味が“露店の味”を醸し出すって訳だ。ちなみにぼくも、焼きそばとチャーハンは必ずラードで作ります。
 さとしが、購入したスライドバーを見せるので久し振りにアコギでスライドプレイを。自分で言ってしまうが、若かりし日のぼくはスライドギターの名手だった。映画「クロスロード」を見てから、あの独特な音色の虜になってしまい、ビデオを何度も見ながら独学で習得した。
 その後、確かJohnny Winterの「3rd DEGREE」を聴いた辺りでオープン・チューニングなるモノを知った。その後は戦前ブルースまでドップリ泥沼さ。ぼくが一番好きな戦前スライドギターはTAMPA REDのプレイ、曲も唄も良い。素晴らしい。
 そんな中、90年代前半のBECKの登場は鮮烈だった。ソングスター・ミーツ・ヒップホップ以外の何者でもなかった。ヤラレタ! と。
 スライドプレイを売りにしているエレキギタリストは数多いが、ぼくが一番好きなのは故・ローウェル・ジョージである。実にシンプルなことろが好い。まず曲が良い。
 ちなみにアコギにおけるスライドは、実に簡単に、巧く聞かせることが出来る。オープンGして、あとはミョンミョン滑らせて開放弦を織り交ぜる。ピッキングの強弱や余計なノイズ、ちょっとズレた音程やスライドバーがネックに当たる音なども重要な“味わい”である。
 嗚呼、DOBROが欲しい。でもぼくはNationalのウッドボディのがいいな。