で、やっぱり義兄は置いてきぼり

 
 桜庭、奇跡の逆転勝ち。マジ泣けたウルルンですこです。股間が湿ってまいりました。
 
 電話が鳴る。出る。
「もしもし」
「テ-矧膜-東搆--轟-??屓ヌ?-柱沿-:/a」
「…はい?」
「ハキケ--膜-ぢテ-旗ヨミメカ」ャノマコ」オタツキウニラ--??---?矧串オタツキウニラ」
「ああ、姉ちゃん」
 
 姉からであった。わたしの姉は、宇宙人なのだ。
 姉は、とにかく落ち着きがなく、やかましい。古い漫画のように、受話器から顔が飛び出すかのような金切り声でまくしたてるのだ。また、生粋のクレーマーであり、しょっちゅうタクシードライバーと喧嘩をしていた。
 その姉が、千葉からはるばる札幌へ来たようだ。ぼくが会うのはじつに十年振り、姉はすでに42歳のオバチャンである。連れてきた姪は13歳になった頃だろうか。
 
 そう、13年前。
 ボヘミアンな姉は、千葉に夫を置いてきぼりにしてひとり札幌の実家へ帰省していた。すると姉が腹を見せながら
「いや〜太ちゃてサ〜」と言った。
 ぽっこり出た腹を見たぼくは
「うははは! デブじゃん!」などと言って、その腹をバッチバッチン叩いた。母も便乗して叩いていた。
 数週間後、姉が妊娠5ヶ月だとわかったのだった。
 ぼくと母が青ざめてうつむいたのは、言うまでもなかろう。
 
 そんなわけで、明日はみんなでジンギスカンを食べに行きます。老けてんだろうなァ、42歳。
 あー、ヤダヤダ。