人生捨てちゃいました☆
スキップのつま先で的確に蟻を踏みつぶす、サミー・デイヴィス・ですこです。
ここ数週間、酒を控えております。それまではほぼ毎日呑んでいたのですが、最近は中二日ペースで週に三日ほどしか呑んでおりません。さらに大好きなおビールは休みの前日にしか呑まないので酒量がグンと減った次第であります。そのお陰で風邪をひいてしまった。
以前にも書いたかも知れませんが、常習的に飲酒していた人間が酒を辞めると風邪をひきやすくなるのです。この現象を思い当たる人も居るでしょうし、たぶん科学的にも立証できるはずです。
ジャン・コクトーを始め、かつての阿片中毒者は口を揃えて「アヘンを喫煙していると風邪をひかない」と豪語していますし、また「アヘンを辞めると即座に風邪とよく似た症状が顕れる」との証言も残しています。
アヘン等のナーコティク系とアルコールはよく似ていることからも、「酒を辞めると風邪をひき易くなる」という仮説は成り立つと思われます。
「NARCOTIC」の意味は人事不省、つまり知覚を失いぐでんぐでんになる事を表します。ぼくの好きな英単語の一つです。
花電車というバンドの「NARCOTIC GUITAR」というアルバムはジャケットワークが素晴らしい。というか、花電車のジャケは全て秀逸です。誰がデザインしているのだろう？ マティ・クラーウェインの後継者とも呼べるほどの異彩を放っていた。
酒は適量だと百薬の長ですが、呑みすぎると阿片になりうるという事なんでしょうか。また、それらに冒されているうちは他の菌が侵入する隙がないという事でしょうか。
酩酊は最大の防御なり、だな（断言）。
阿片―或る解毒治療の日記
posted with amazlet on 06.10.18
福岡で中学二年生の男子生徒が自殺したことが話題になっていまして、ぼくはなぜこんなに世間が騒いでいるのか判らなかったのですが、どうやら教師がいじめの発端になったことから火がついたようです。
いじめが原因で自殺したケースは古代から現代まで無数にありますし、この件が大きなニュースになった所以は、本来いじめを阻止するべき教師がいじめに加担したからなんでしょう。
セクハラや買春が表面化してきて『教師＝聖職者』という“幻想”が音を立てて崩壊したいま、教師にだって好き嫌いはあるってことは日本中のみんなが知っている訳です。
PTAの奥さんたちが住む家の便所には相田みつをの日めくりカレンダーがあって、なにか失言を犯してしまい落ち込んでいる時に（それでもクソはブリブリ出やがる）、ふとめくって出てきた「人間だもの」という言葉に微笑と安堵をするが、教師が自らそれを口にする事は許されないみたいで、どちらかというとアタックNo.1風に「だって教師なんだもん！」とかやってると、狂うよ。泣きながら笑い続けていると、人間は狂ってしまうんだ。
誰だったか忘れたが、とある高名な教師が「いや、わたしにだって嫌いな生徒はいますよ！」と断言していたのが清々しかった。
教師はいじめの発端になったのかも知れないが、彼を死に追いやったのは周りの生徒たちでしょう？ 誰か一人くらい「あんな軽薄な先公の台詞なんか関係ねぇ！」って言えよ。不甲斐ないとはまさにこの事です。一人もいないって、むしろそこが異常です。羊が羊を殺すと豚どもが騒ぎやがるんだな。次はおれじゃないかブー？
自殺した彼と同じ年頃のぼくは、どちらかと云えばいじめっこ側だったが、陰湿ないじめはした覚えは御座いません。強いて云えば、いじめっ子をいじめるのを趣味としていて、例えばＡがＢを執拗にいじめていたとしたら、彼らを放課後の更衣室に呼び出してタイマンをさせるのです。
当然、Ｂはビビっていますから、「大丈夫だ。おれが助けてやるから思いっきりやってこい」と予め打ち合わせをしておきます。するとどうでしょう、Ｂは目を輝かせてこう言いました。
「本当かい？」
「ああ。おれもＢは好きじゃない」
「でも……あとでＡが」
「アフターフォローも万全です」
「……」
決戦の日、仲間がいる教室とは異質の空気を察したＡは、顔面がこわばっていた。Ｂは偉いもので、覚悟を決めて笑みすらこぼしていた。ちょっとヤバかった。
もう勝負はついていた。すぐにＡはちょっぴりだけ鼻血を出して、Ｂは「わかったかー！」と何度も言っていた。ぼくは「嗚呼、こういう風に人は人を衝動的に殺してしまうんだろうナ」と、他人事だった。
手作りの紙相撲みたいになんの進展もなく、なんだか馬鹿馬鹿しくなったので彼らを残してその場を去った。その後の彼らがどうなったのかは知らない――
なんの話をしてるんだ。
そう、怒った方がいい。やられたらやりかえせ、とは言いません。「やめろ！」と言えばいい。それで殴られてボコボコにされたっていいじゃない。拒絶し続けることは、パンクだぜ。傷は再生するけど命は再生しない。遺書で一矢報いるには、14歳は若すぎる。迎合してうすら笑いのまま死んでいくなんて、あまりに悲しすぎる。
死ぬ前に全否定を！ 死を肯定して死ねない状態のまま！ クソひり虫！ 生きるな！ でも死ぬな！ いや死ね！ いや死ぬ！
どうせ自殺するなら、もっとゆっくり死のうや。なぁ？
