ハイエナ日記

 
 冬も本格化しつつありキャンタマがクルミ状ですこです。中身はミルクが入っております(生々しいわ)。
 
 しかし今月は、我ながらブログをサボってるなぁと思います。別に仕事が忙しいわけでも痔が悪化したわけでも尿道から赤玉が出たわけでもなんでもないんですが、たぶんmixiの方に英気を吸い取られているんです。ですから、ぼくの中ではほぼ毎日更新している感覚なんですよね。
 ただやっぱり二つのブログなりを両立させるのは無理だという事を実感しました。可能だとすれば、ある種の棲み分けが必要かも知れません。一方は文章、もう一方は写真とか、コンテンツ(と呼ぶのもおこがましいが)の区別が必要なのかも知れません。一方で過程を見せつつ、一方で完成品とかやるとみんなが幸せになるので効果的ですね。めんどくせーけど。
 
 今日は久し振りに電器屋さんに行ってきました。家電製品を買いに出掛けるのは久し振りです――こないだ詐欺に遭わなければね!(まだ引きずってる)
 ペンタブレットとフロッピー一体型カードリーダー内蔵タイプを買いに行きました。札幌でパソコン関連はビックカメラの方が強いのですが、今回はヨドバシカメラで働いている知人に顔を出したくもあり、リーダーは確実に在庫があるだろうヨドバシ隣のツクモに行くことにしました。
 ヨドバシ立体駐車場に車を停めてまずはツクモへ。さすがツクモ、18種類のメディアとフロッピーが一体となった内蔵型最強の在庫がたくさん積まれています。別にカードリーダーだけでもいいんですけど、どうせならスッキリさせたいのが人情であります。ケースがE-ATXなのでケーブルがマザボまで届くか心配だったが、延長は見送る。
 ヨドバシのテレビコーナーを捜すと居ました、O前くん。相変わらず、婚期を逃したゾウアザラシのようなデブであります。顔面はデブ汗でテカっております。もし彼がカバだったのなら顔面は真っ赤っかです。言い過ぎです。
 眼が合ったのでニッコリ微笑むと、彼は視線を遠くに交わして通り過ぎた。気づいてないのか無視なのか悩んだが、背後からタプタプの二の腕を思い切り平手で叩いた。家電売り場にこだまする打音。振り向いたのは彼だけではなく、周りの客もこっちを向いてしまった。驚いた様子で彼は言った。
 
「で……ですくん」
「久し振りだねぇ」
「ちょ、ちょっとあっち行こ」と大型テレビの陰まで袖を引かれる。
「どうしたの、突然」
「どうしたのって、買い物だろ。この袋が見に入らぬか!」
「随分りっぱなマウスパッドだね」
「バカヤロ。タブレットだよ」
「ああ、口臭予防の」
「そっちじゃねぇよ」
「そんなもの買ってどうするのさ」
「画家になるんだ」
「絵なんか描いてたっけ?」
「まだ卵だけどな」
「三十三歳で卵って」
ゆでたまごが上手に剥けない理由、知ってるか?」
「塩か、予め小さな孔を空けるか?」
「違う。古いたまごじゃないとだめなんだよ」
「へぇ」
「つまり、おれはハードボイルドに向いてる」
「はぁ」
「おれっちの生き様がよ!」
「……ハーイ! いらっしゃいませぇー!」
「オイ、せっかく来たのに無視すんなよ」
 
「何年振り?」
「二年くらいじゃない?」
「だって判んなかったもん、ですくん」
「なんで?」
「太りすぎ。ちょっとショック」
「君に言われたくないね」
「ぼくは元々太ってるからいいけど」
 
「このテレビ、随分と映りがいいな」
「デジタルハイビジョンだよ」
「プラズマだろ?」
「液晶だよ」
「あっちの液晶の映りは最低だったけどな」
「あっちはアナログだから」
「凄いなデジタルって! プラズマなんか要らないな」
「うん。電気喰うし、発熱で部屋の温度が3℃上がるよ」
「出た! 営業トーク!」
「買ってよ」
「負けろよ、社員価格」
「いいよ」
「何割?」
「ポイント無しで、テレビなら三割近くかな」
「スゲーじゃん。テレビ以外は?」
「なんでも負けるよ。その袋の中身も言ってくれればよかったのに」
「マジか! デジカメは?」
「かなり負けられるよ」
「うおう! 今度買うわ。じつは詐欺に遭ってよ」
「ネットで?」
「そう。だから……」
「だから?」
「デジカメをパクってきてくれ」
「盗んだ社員は100%捕まるよ。監視カメラの数がハンパじゃないもん」
 
「じょ、冗談だ。で、どうなの?」
「なにが?」
「このシーズン、ボーナス的なものは」
「少ないけどねー」
「一ヶ月分は出るんだろ?」
「それは出る」
「いいなぁ」
「出ないの?」
「寸志だな。いつ出るの?」
「十日かなぁ」
「じゃあ、十日にまた来るよ」
「え?」
「シフトは早番にしとけよ。じゃーな!」
 
 美しき再会。
 
 帰宅後、リーダーを取り付けるべく久し振りにパソコンを開ける。
 CPUという名の陰核が発する実直で淫靡な熱を放出するためだけに在るヒートシンクという名の静かで猥褻な無数のヒダに自殺装置が発散するヤニが無造作に付着した茶色く湿っぽい埃が浸食していたので掃除機という名のバキュームでしつこくみだらに吸い出してやった。ぐへへへ。
 
 
 
 それにしてもマザボのピンアサインって、なんであんなにちっちゃいんだ?