退屈しのぎと結露の末路

 
 早朝は痩躯なオクレですこです(病気か)。
 
 いよいよ北海道の冬も本格化されて参りました。豪雪地域なのに100万人都市である札幌は、世界でも珍しいそうです。他の豪雪地帯に比べるといくらか快適なのは、除雪技術が発達しているからだそうで、毎年外国政府が訪れて視察をしているようです。
 しかしながら近年は札幌市も財政状況が芳しくなく、除雪費を削減するようなので貧乏地帯は大変な事になるでしょう。というのも、各町内の自治体によって除雪の回数や順番が違いますし、町内で集めたお金で民間委託をしたりもしますので、雪が積もっている地帯はカネがない、という事になりましょう。
 除雪降雪の繰り返しは奴隷の沙汰でありまして、観光で訪れる札幌と、一冬棲む札幌とでは雲泥の差があります。例えば転勤なんかで夫婦揃って関東以南辺りから札幌に移り住んだ場合、奥さんの方が軽い鬱に陥るのはよくある話でありますし、逆に札幌から南に引っ越した場合、大抵の人は「もう札幌には戻りたくない」と言います。
 札幌人は「雪さえ降らなければ良い所」と思っていますが、単に雪に嫌気が差しているだけで「じつはどこか暖かい所に引っ越したい」と思っているはずです。天涯孤独なのに北国に居る人は、冬の厳しさを愛しているのかも知れません。
 寒さというのは人格形成にも大きな影響を及ぼすものと思われまして、同じくらいの規模で地方都市である福岡と比較してみると、どうも大人しいような気がします。宵越しの金を持たないと寒さで死んでしまうからだと思うんですけど。
 例えば今現在東京で活躍しているロックバンドでいえば、北海道出身のバンドってマニアックで歪んでいるタイプが多いように思うんですよね。炸裂してるけど、どこか影があるような気がします。
 唐沢俊一も札幌出身で、彼の場合は若き日の入院生活がマニア知識のキッカケとなったようですが、全国的にみれば北国の冬ってある意味“入院期間”だと思うんですよね。ウインタースポーツだって毎日はやらないわけで、凍結路面で渋滞して移動時間は掛かり帰宅は遅くなるわ、帰宅したら部屋は寒いわで、ちょっと鬱屈しちゃうんですよ。これが歳をとると諦念に変わるから始末が悪い。
 秋の夜長が三月末まで続くわけですから、必然的にインドア生活が充実してきます。かの高木敏光先生なんかは、大ヒットゲーム《CRIMSON ROOM》を大晦日から正月を股に掛けた4日間で創ったそうです。
 一般の人が冬の間に“創る”ことができるのは、子供です。秋に産まれたそこの貴方、アナタは《最高のインドア・スポーツの申し子》であります!
 これは、函館の人が読んだら怒るかも知れませんが、かつて、函館在住の親戚や、函館出身の友人から聞いた話ですが、やる事がないのでセックスばかりしている上に鍵を掛ける習慣がないので他人のセックスを目撃する確立が高い、そうです。本当かよ。
 
 北国の町おこしはセックスしかないと思う今日この頃で御座います。