おーい山田くーん! 杞憂を全部と、コンドーム一枚を取っちゃいなさい

 
 笑点の笑う点を教えてくれ、ですこです。いや、嫌いじゃないよ。でもね、古典落語のネタって、現存する落語家の数よりもうんと少ないので、そうなると演者の違いによって評価がされるのはクラシック音楽と一緒かな。古典を解ってる風な輩に限って、創作落語を否定するのは音楽も一緒かな。あばよクラシック、あばよモダン、あばよ猿真似。でもこんにちは、過去の偉人たち――おれがお前をちょっとだけ模倣してオリジナルを創って、その儲けでお前の遺族に飯をオゴっちゃる、というリスペクトとアティテュドーは忘れちゃいけねえゼ――from Ron Sexsmith
  
 書くことが無いんである。正確には書く事が思い浮かばないんである。スイッチが入らないのである。
 こういう時は時事ネタに限る。だが最近、やたらと検索エンジンから訪問者が来るので一部伏せ字にしよう。本来なら訪問者の増加は喜ぶべき事だが、それは主に広告を貼って少しでも収益を得ている人の話であって、広告を載せていないこのブログには無縁である。
 じつは先日、Google AdSenseを申し込み、アカウントを取得したのだが、はてなではJava Scriptが使えないのである! しかもembedやobjectも使えない。縛りが多い! なんというマゾヒスティックなブログだろうか。
 今、ふと思った。亀甲縛りとは文字通り亀の甲羅状の縛り方を指すが、醤油メーカーのキッコーマンも、あのロゴから察するに亀甲が所以なのではないか。しかも続きは「ーマン」、平仮名表記は「きっこぉまん」である。これは確信犯なのではないか。
 しかも商品には「肉用調味料」とのカテゴリーがあり、中にはすき焼き用のタレも売っておる! OMG! 淫らだ! 火が通った薄い牛肉に、たれを!
 これは独白すべきどうか迷ったが、書いておこう。紳士淑女は読まなくてよろしい。
 
 「牛丼復活後の吉野屋に行くと、あの牛バラ肉が大陰唇に見える事がある」
 
 だから言ったんだ。読むな、と。
 
 これは弁明だが、先のは最低の比喩だったが、しかし的確に作用すれば快か不快になる。毒にも薬にもならないうわついた比喩が一番よくない。
 例えばあなたは、「夕焼けが赤い理由」を問われて、なんと答えますか?
 ぼくならこう答える――
 
 「昼間の青さに、今頃になって照れてるのさ」
 
 くゎーっ、決まったぁ! 二十円よこせ!
 
 
 さて、時事ネタだ。
 ジェットコースター死亡事故は衝撃的だった。事故ではなく事件だ、とも言われるが、三菱自動車脱輪然り、これは事故だ。そもそもあんな危険な乗り物で今まで事故が起こらなかった方がおかしい、と今になって思うんである。
 2ちゃんは自棄に荒れていたが、心ない書き込みを読んでも、ぼくは本気で不快感を覚えなかった。つまるところ、他人事だった。怒れる人は身近に大切な人が居て、その人を投影できた幸せな人だと思った。ぼくは、そこに倫理はあまり関係ないように思う。
 異様だったのは、一斉に点検を始めた他の遊園地だ。普段から点検を怠っていなければ、わざわざやる必要はないのに、叱られたネズミ男のようにへいへいとやる。「お前らもだったか!」と、皆おもっただろう。
 結局、みんないい加減で、事故が起きないとわからない。安全規格なんてものは幻想だ。人間って、そういうものだ。
 例えば、コースターを担当してる主任がやたらと点検する人だったとしたら、まだ事故も起きていない、安全を保証されている乗り物に対して疑いの虫になっている彼を、同僚は嘲笑うだろう。昼間の休憩室で「主任はどうかしてる」と話し合うだろう――。
 
 営業が終わって皆が退社しても、主任は舐めるように図面を見ている。他の従業員は連休で多忙になる前に宴会を企画していたが、誰も主任を誘わない。誘ったとしても、掌をひらひらさせて断られるだけだった。
 宴会が終わった後、一人の従業員が千鳥足で遊園地の近くを通りがかり、夜空に浮かんだイカスミスパゲティみたいなコースターを見上げると、月をバックに主任がレールの上で背中を丸めていた。「カン、カンカンカン」と、営業前と同じようにレールの非破壊検査をしていた。
 普段は話しかけない従業員も酒で気が大きくなり、声を上げた。
「しゅにーん!」
「カン、カンカンカン」
 金槌の打つ音で聞こえない。主任が袖で額の汗を拭った瞬間を見計らって、もう一度大声をあげた。
 影絵だったのでよく判らなかったが、主任がこっちを見てるような気がした。従業員は両手を拡げてジャンプしながら、もう一度声をあげた。
 主任はゆっくりと、面倒臭そうにレールの上に立ち上がった。
「まだやってんスかー?!」
 主任は軍手を脱いで煙草に火を点けた。遠くからでもライターの炎は見えた。
「いま宴会終わったんスけどー!」
 吐き出した煙は月に従って、ほとんど日本画のようだ。
「近くに居酒屋あるんスけどー」
 吸引された煙草の炎が更に燃えて光量を増した。
「一緒に行きませんかー!」
 ボフッと吹き出した煙の後に、主任はいつものように掌をひらひらさせた。
 
「カン、カンカンカン」
 帰り道、遠くでは金槌の音が聞こえた。一定のリズムがいっそう苛立ちを助長した。大きく舌打ちをして、従業員はタクシーを拾った。
 
 それから数日後、よその遊園地で人身事故が起きた。従業員の全てが事務所に呼ばれて、テレビは大々的に報道していた。みんな齧り付くようにテレビに見入っていたが、そこに主任はいなかった。園内放送で主任を呼びつけると、爪楊枝を片手に事務所へやってきた。一番青い顔の園長が、すぐに点検するように指示を出すと、歯の間に挟まった親子丼の鶏肉をシーシーと吸いながら、掌をひらひらさせた――。
 
 
 あと、時事ネタなんだったか。スイッチ入ったから長くなっちまった。
 そうだ、辻ちゃんだ。ぼくは素直に羨ましいな。あんな可愛らしい娘とセックスできるだなんて。
 ぼくには子供はいないが、中出しの経験はある。気持ちがいいというよりも、どちらかと云えば不吉だった。オルガズム絶頂の刹那に敗北して、出してしまった。
 舐め合って、腰を振って、喘いで――そこに快感がなければ、性交とは、じつに間抜けな行為だと思う。「エアギター」に対抗した「エアセックス」の面白さは、エアーを相手に愛撫するその情けなさに、面白味がある。
 気持ちいい様子を見せつけられても、なーんにも面白くないのである。ドラッグの手記が面白いのは、彼らが快感を得る以上に自己を破壊している事を、我々は未然に知っているからにすぎない。
 つまり、○ーオタは、祝福しながら破局を期待している。ぼくはモー○タじゃないのでどうでもいいけれど、やっぱり羨ましいな。可愛いじゃん。
 
 
 さて、次の時事ネタは――
 
 モーいいわ……
 
 ハーイ! お後がよろしいようデー! 中出し大好き山田隆夫デシター!