ローカル日記

 
 魔法瓶を信じるかい? ザル"ですこ"ヤノフスキーです。
 
 以前、友人のお店で呑んでいると、どこかで聴いたことがあるような懐かしい曲が聞こえてきた。サビの部分でやっとその曲が「ハイスクルール・ララバイ」であることを理解したが、このしぶい演奏は一体だれのものなのか非常に気になったので店長に尋ねてみると、「リトル・クリーチャーズだよ」と言ったので、合点したぼくの脳内からはぶわっとドーパミンが噴出した。LITTLE CREATURES――イカ天組の中でも最高度のミュージシャン・シップに溢れたトリオだ。当時高校生だったぼくでも「なんかこいつらすげえ」と思ったのだった。バンド名は確かTALKING HEADSのアルバムから拝借したものだっけ。新譜、買おうかしら。
 そんなわけで細野晴臣トリビュートアルバム-Tribute to Haruomi Hosono-を日々聴いております。やっぱ、曲がいいんだなー。ちなみにぼくがイチオシなのはこれなんだな。

HOSONO HOUSE
HOSONO HOUSE
posted with amazlet on 07.08.06
細野晴臣
キングレコード (2005/03/24)
売り上げランキング: 1234
 いま、巨大書店〈コーチャンフォー〉ではCDやDVDを買うとチケットで一割還元してくれます。チケットで本を買うこともできるので、CD等を五千円分買えば文庫本を一冊買えます。これは嬉しい! しかも文庫コーナーが充実していて、以前は出版社別に陳列されていたのですが、いまはすべて作家別に並べられていて、これは探しやすい! 一般読者にゃ出版社なんざ関係ないからね、偉いぞコーチャンフォー!(最後はHG風に)。言っとくが、ぼくは回し者じゃねえ。
 

 
 ラーメン探求はお休みして、「潰れちまうど!」ともっぱら噂のリトルスプーンに行ってみる。札幌では結構な店舗数を誇るカレー専門店チェーンだが、これまで行ったことがなかった。ガラス張りの店内は冷房がしっかりと効いていて、椅子やテーブルなども小洒落ているので女性が一人でも入りやすいだろうし、実際外から見ると女性客が多い。
 チキンカレーMサイズ(380円)にトッピングは野菜(150円)、さらにカレーコロッケを(70円)頼む。待っている間にメニューを見ていると、サイドメニューにカレーパンを見つけた。さらにフライドポテトもあって注意書きには『カレーをディップしてお食べ下さい』とあったので、「なんでもかんでもカレーすぎなんぢゃい!」と無言のツッコミを入れておく。
 数分後、鉄製のカレー皿にのったカレーと、小皿にのったコロッケがやってくる。コロッケにかけるソースは見当たらなく試しに割ってみると、中からカレールーが出てきやがったので、どこにでも現れるカレーに対して、ゲル状のU.M.Aじみた若干の恐怖感を覚えた。
 カレーは、普通としか言いようのない味で、可もなく不可も無しで値段相応だが、プレーンの380円と同額で肉片がのった吉野屋の牛丼を食べられることを考慮すれば、満足度は低い。らっきょは食べ放題らしいが、ぼくの横の瓶には二個しか入っていなくて、風前の灯火感をひしひしと感じたのだった。
 同じカレー専門チェーンであるココイチと比べると、マニュアル化が甘い。ココイチの、あのグラム単位で表示する徹底さに最初は辟易したが、後発のリトルスプーンは比較される運命にあるので「お茶碗一杯分」という曖昧な表現が裏目に出てしまうのは、お店のカラーが中途半端だからにほかならない。なにかひとつでもココイチに勝ればすべての曖昧さは許容され、それは新しい価値を生み出しただろう。
 しかも店舗経営を譲渡して、冷凍カレーを主体としたカレー製造事業に特化するとアナウンスしている。これはさらなるイバラの道に進むことを意味していて、それはほとんど自滅に等しい。
 カレーには家庭の味と、お店の味、そしてレトルトの味がある。ボンカレーやククレカレーの完成度たるや凄まじく、スーパーの特売では88円で売っているが、88円じゃ絶対に作ることができない。これはぼくの勝手な憶測だが、常温で保存できるレトルトに比べると、冷凍食品は販売店舗での冷蔵費がかかるために卸値はかなり安いのではないだろうか。冷凍食品は、冷凍する必然性がな物は絶対に売れない。キーワードは「いつでもお手軽」だが、カレーの世界ではレトルトが席巻していて、むしろ冷凍じゃない方が良いイメージもある。
 これはぼくが赤貧時代だった時のメニューだが(いまは極貧です)、焼きそば弁当ボンカレーを買って、焼きそばにお湯を注いでから蓋の上にボンカレーを載せて三分間待つ。湯切りをして、薬味とソースを振りかけて、生温いボンカレーをどかんとブッかけて一気にかき込む――これは、満腹感だけは最高だった。冷凍食品には、それができない。
 具のないカレーはコトコト煮込んだ証かもしれないが、客が具を求めていることはスープカレー・ブームで明らかになった。あれはじつに巧くできていて、チキンレッグでダシを取って、もはや出涸らしに成り下がったチキンと、ごろんとした素揚げの野菜を飾ってしまえば、たとえ値段が千円でもなんだか有り難く感じてしまう。しかも味はスパイスで誤魔化せるときたもんだ。ブラジル産のレッグなんか、バカみたいに安いですからね。これって、とても優れたアイデアですよ。ちなみに札幌白石にある○ジック・スパイスというの店の前には、店主の黄色いカウンタックが停まっております! まさに魔法!
 カレーといえば、この動画を御覧下さい。とても面白いです。貼れないのでURLを載せておきます(Embedding disabled by request)。
 カレーの王様 VS カレーの殿様
http://www.youtube.com/watch?v=GHLS2JujX9Y