ねこのばあい

 
あたまから、ちがあふれたり、けっかんがつまってしまうとそのぶぶんはえししてしまって、にどともとどおりにならないんだけど、たとえばNHKでは、にんげんののうはほんのすうパーセントしかつかわれていない、とかやってるけど、にせたいのテラスハウスのりんじんいにいつものばんごはんのおかずのおつかいをたのんでも、やっぱりむりだとおもう。きょうはさばをたべたいのに、あかうおをかってこられてもこまるし、あかうおは、ちょっと、たかい。それでいかにもなかおをされても、こちらはいかにもなかおで、ありがとう、というしかないみたい。
 
おやねこは、いつものごはんのじかんにこねこがいないことにきづいた。おかずはけっこうごうかで、こまかくきったなすと、かつおぶしと、ごはんにぬるまゆ。なすはちゃんとみずにさらしてるみたい。
へやじゅうをさがしてもみあたらないので、かいぬしのかおをめがけて、みゃあ、となくとかいぬしはげんかんのどあのすきまにすにーかーをはさんでくれた。
 
こねこにはほうろうへきがあって、それはひにひにおおきくなっていた。こうどうはんいはひろくないので、ははねこはきんじょのこうえんにいってみた。
やっぱり、こねこはこうえんにいた。
ははねこはいつものようになきごえでこねこのきをひこうしたが、やめた。
つきあかりにてらされているこねこは、つきをたべようとしていた。まばたきもせずに、ただくちをおおきくあけていた。
ははねこはいそいでいえにもどった。すにーかーをまたいで、れいぞうこのまえで、みゃあ、とないた。
かいぬしがしーちきんをさしだしたので、みゃあ、とおおきめのなぎごえをあげると、おめあてのはんぺんをふくろからとりだした。さんかっけいのはんぺんはひとりでたべるにはおおきいけど、ははねこはかいぬしがふくろからとりだしたしゅんかんに、みゃあ、とないてはんぺんをくわえてうばった。
いきをとめてくさいすにーかーまたいで、こうえんへいそぐ。
こねこはあいかわらずはくせいのようにかたまっていた。
はしにくわえたはんぺんをこねこのまえにつきだしても、はんのうがない。こうとうぶでつきをふさいでからはんぺんをめのまえでふるわせても、はんのうがない。
つかれたははねこがきゅうけいしていると、みゃあ、とこねこのこえがきこえた。すなのついたはんぺんをしたでなめてとりのぞいてから、しなったさんかっけいのはしっこをこねこにあたえた。
こねこはめをしばしばさせながらはんぺんをたべた。いそいでたべたこねこははんぺんをのどにつまらせて、からだをよじって、みゃあ、とないた。それをみたははねこは、おなじふうにくねくねとみもだえてみせた。
 
ぐんかみたいにいせいよくみゃあみゃあなきながら、ははねこはこねこをいえまでつれてきて、くさいすにーかーをいさましくまたいだ。
こねこをしんしつにいざなってからからだじゅうをなめてやると、こねこはすやすやとねむりはじめた。
それをかくにんしたははねこは、まよなかのしんしつでみゃあとないてから、かいぬしのけぶかいあしにほおずりした。