フツーの一日

 
 ポカポカ陽気であります。例年に比べますと、今年は急激に暖かくなったように思います。暖かいと温かいってややこしいなぁ。サンズイがあるから〈温〉は水気のあるものに対して使うんだろうか。人間は水の袋で湿っぽいから感情にも使うのだろう。山水といえばオーディオのサンスイはなぜ潰れたのだろうか。マランツもデノンもいまとなっては外資企業になっちゃったけど、頑なに純系で残っているのはラックスマンとスタックスくらいか。どちらも良いメーカーだ、頑張れニッポンオーディオ。一時期オーディオに凝っていたけど、いまはまったく興味がない。なにで聴くかよりもなにを聴くかがはるかに重要だ。もっとも、おかげで耳が肥えた。というか、プラーシーボから脱却したというべきか。
 
 1年以上していなかった車のオイル交換へ出向く。あんまし乗らないボロだからいいの、1年で。
 以前、年間に数万キロ走るという知り合いが、2年間オイル交換していなかった旭川からの帰り道、いくらアクセルを踏んでも速度が20kmくらいしか出なくて、おかしいなと思ってスタンドに飛び込んだ。ピットに入ってドレーンボルトを抜いてみると、オイルが一滴だけ垂れてきた。当然エンジンは焼き付き、載せ替え、費用40万円也。新車購入後2年目の惨事でありました。つーか、バカ。
 前から思ってたんだけど、オー○バックスの女性店員って、ヤンキー系が多いなぁ。それもちょっと古めの、どこか80年代のAV女優を想わせる幸の薄さが、って言い過ぎましたごめんなさい。結構若い人が多いので、次は茶髪のままヤクルトを売り歩くのかな、とか余計なお世話ですから。
 作業を待っているあいだ店内を徘徊していると、色々なパーツやグッズが売っているんだけど、まったく興味のない自分にいささか驚いた。おれはこんなにも車に興味がないのか、と。なにか小物でも買えよ、と。
 昨今の嫌煙ブーム、店内には喫煙スペースもなく。外に出てみると、ぽつねんと隔離された小汚い掘っ立て小屋が喫煙所だった。情けも、容赦もない。バカ面して煙をくゆらせていると、ピットから呼び出しがあった。経過5分、早すぎだ。ボルトが回らないとか言い出すんだろうな、と煙草を揉み消してピットへ向かう。
「あのー、ボンネット開かないッス」と苦笑いで言っている。
 無言で助手席を開けて、ダッシュボード内にあるレバーを思いっきり引いてやると「ドグン!」と音がして、店員は「ああっ!」と不思議な笑顔を見せていた。やはり無言で立ち去り、掘っ立て小屋に戻って阿保面で煙草を吸いまくる。ぽかぽか陽気で気持ちがいい。小屋にはぼくしかいなくて、外ではみんなワイパーの交換やらをしている。嗚呼、動物園の動物ってこんな気持ちなのかな。
 数十分後、ピットから作業終了の呼び出しがあった。オイルの量を確認させられて、店員がボンネットを降ろしたとき、しじまが訪れて彼はぼくの顔色を窺った。傍から見れば閉まっているように見えるが、閉まっていない。無言で再度ボンネットを開けて、高い位置から叩き付ける。あまりにも無言だと感じの悪い客になってしまうので、「こうしないと閉まらないんだよね」と付け加えておく。まあ、いずれにしても面倒な客なんだろうけど。どうでもいいけど、オイルを交換したところで体感的にはなにひとつ変化を感じられないのが、オイル交換のつまらないところだなぁ。
 
 3月30日にリングス主催で『THE OUTSIDER』という格闘技イベントが開催されるみたい。全国から自称日本最強のアマチュアを集めたイベントなんだけど、結構面白そうだなぁ。そろそろプロにも飽きたし、なかなかいい線をついた企画だと思う。マジでヤバいアウトローも何人か参戦するようなので、応援に来た取り巻きたちによって会場も緊張感でみなぎることでしょう。うーん、観たい。だれかカメラ持ち込んで盗撮してきて下さい。命がけで。