なにも起こらない日々ですが

 
 多忙のため休日もなく、今日は零時帰宅。疲労のせいか、珍しく“入れ子状”の夢を視る。つまり「眠っている夢」である。他人の夢の話ほどつまらないものはないので割愛しておこう。
 忙しいときほど時間を有効に遣いたくなるもので、車のタイヤ交換をして、腰を痛める。めげずにオートバイのオイル交換と、自転車のグリスアップもする。デシタルのエアゲージを買ったので規定値の下限まで空気を入れてみると、破裂するんじゃないかってくらいパンパンになって驚く。
 これいいです。米仏兼用かつオートバイにも使えるので、これさえあればポンプは安物でいい。
パナレーサー 空気圧計 デュアルヘッドデジタルゲージ  米式/仏式バルブ対応
 
 さらにカーテンを洗濯しつつ部屋の掃除。“伽藍堂”が置いていったダンボール6箱が途轍もなく邪魔くさい。中身はCDが600枚ほど入っている。掃除を中断してしばし物色、手持ちのCDとかなり重複しているが、「PAVEMENT」を発見して小躍りする。CDトレイに乗せて正座で聴き入る。なんという素晴らしいバンドだろうか。バンドやるならこういうバンドがいいなぁ。この、あまり練習していない感じがいいねぇ。ぼく、バンドはやりたいんだけど練習が面倒くせえんだよなぁ。個人練習はバカみたいにやるんだけど、決まった日時にスタジオへ出向くのが苦痛で苦痛でしかたがなかった。で、渋々行ったらメンバーが練習していなかったときの、あの落胆ったらないぜー。そこの、自宅にスタジオがあるキミ! ボクとバンドを組まないか! 合い鍵を寄越せ!
 
 ジャニス・ジョップリンのDVDを観る。いいなぁ、ジャニス。ときおり見せるキリリとした上目遣いがいい。「不世出の〜」とはよく言われることだけど、こんな女性シンガーはまじでもう出ないかもしれないな。痛々しいんだよね。
 
 プリンスのDVDを観る。やはし「パープル・レイン」は名曲だなぁ。サビに入る前のボーカルとブレイクは至福だ。女性ギタリストが可愛いな。カスタムしたリッケン、でもチューニングが狂ってる。いや、時代的にコーラスを深くかけすぎなのかもしれない。
 
 Blind Blakeを聴きまくる。盲目のギタリストの中でも突出したテクニックを持っていて、ブルースというよりもラグに近い。ラグタイムの元祖といえばスコット・ジョプリンという黒人のピアニストだけど、死後しばらく経ってようやくその功績が認められたんだよね。とても有名な「Maple Leaf Rag」や「The Entertainer」は100年以上も前に彼が作った音楽だ。これを聴いてしまうと、ピアノを弾きたくなっちゃうね(ギターで再現するのはとても難しい)。
 R&Rは白人が盗んだもの、という説もあるけれど、じつは逆かもしれないね。奴隷だった黒人が、御主人様の家の中から漏れてくるカントリーミュージックを聴いて、アフリカ特有の音階に乗せて唄ったのかもしれない。そうなると、アフリカには無かったスリーコードがブルースの基盤になったことも腑に落ちる。混じったことには変わりないけど、お互いの音楽が骨身に沁みたんだろうなぁ。音楽まで搾取することはできないけど、でも音楽は盗むことができるんだよね。
 
 眠い目を擦って重松清さんの『疾走』を読み耽る。面白い。嗚呼、ぼくに休日を。できれば有給を!