フツーの日記

 
 こないだまでの陽気はどこへやら、寒いぞバカヤロゥ。ホットカーペット全開だコノヤロゥ。だがしかし、眠るときは寒いくらいが丁度良い、と身をもって実感している。千葉の田舎で体感した地熱の凄さったら……しかも湿気がハンパじゃねえ。夏を想像したら気が遠くなったわ。
 
 映画『手紙』を観る。
 東野圭吾さん原作で、犯罪加害者の親族をテーマにした内容だった。サクサクと進みすぎるストーリー(大映テレビかよ!)、弟が芸人を目指している時点で「ああ、兄を慰問するんだろうな」とバレてしまう構成も、未読だが小説ならば違和感はないのだろう。映画は2時間に圧縮しなきゃなんないからね。
 ラストシーン、兄が合掌するところで号泣してしまう。あの合掌さえなければ泣かなかったのに……日本人の弱みにつけ込みやがって! くやしいです!
 やはし、売れるエンタメ小説っちゅーのは、これくらいがいいんだろうなぁ。カルピスウォーター、業未満の沙汰、クインシー・ジョーンズグレコのスーパーリアル、キャノーラ油。
 それにしても沢尻エリカはきゃわゆいですなぁ。ハーフって、親が美形じゃなくても子が可愛いんだよね。血の魔法だよ。これは、人類が潜在的に混血を求めている証拠だと思うなぁ。異種と交わりたいという本能の顕れというかね。
 ちなみにぼくはインドの女性が好きだなぁ。自分が薄いので(頭髪じゃねえぞコラ)濃い人に惹かれるなぁ。マン毛がケツまで生えてるとか、大いに結構で、むしろ頼もしいわ。そして、それを、剃りあげたいっ!(おまえ変態だろ)。
 インド人ファンとして ⇒http://rainbow-promotion.cocolog-nifty.com/blog/ だって愛読してますよ。ボディは完全にブラジル人だけど……ぼくはサモア人ってやまかましい。
 
 映画『さくらん』を観る。
 遊郭で成り上がっていく女性を描いた映画――だと思う(ちゃんと観てない)。下妻物語の頃の土屋アンナは、ハッとするような女性だったが、ハーフの美というのは桜よりも短いのだろうか、すでに劣化の影が垣間見えた。言われてみれば確かにロシア顔で、ノーメイクの顔などはちょっとだけアンドレイ・チカチーロに似ている。
 そして彼女は音楽活動がメインらしい。以前、テレビで演奏風景を見たことがあるが、箸にも棒にも引っかからない音楽だった。超紋切り型のミクスチャー・ロック、いやミックスをしたのではなく、ミックスの模倣、森永ではなくSHOWAのホットケーキミックス、それにはシロップが付属していないので、結局は森永のメープルシロップを買ってしまう哀しみ。容器が倒れたまましばらく放っておくと、シロップが漏れてきて、それを舐めたときの甘やかな記憶と檸檬の黴、ヌルヌルのちくわ、常に臨戦態勢のゼロ戦みたいな座薬、オムライスにかかったケチャップの上澄み、マヨネーズ・スターサイン、ダイエーで買った冷蔵庫にて。
 

 憧れのホーネットを購入する。流し撮りならぬ、流され撮り。
 背景に写ってしまう生活感を排除するべく、ぼくが考案した撮影方法である。回転椅子に座り、マクロレンズでピントを合わせつつ、連射しながらグルグル回るんである。ぼくは天才かもしれない。どうか、撮影している様は想像しないで欲しい。歩留まりが悪いので50回転はしているのだから。
 小学生時代はラジコンブームの真っ直中で、喉から手が出るほど欲しかったが、高嶺の華だった。だが、ちよしはラジコンを持っていた。それに、彼はいち早くファミコンも持っていた。それは、ちよしが自分で稼いだお金で買ったものだった。
「俺にも触らせてよ」と頼むのは癪だったので、遠巻きに見ていた。ちよしの周りはいつもたくさん人がいた。容姿端麗にして学力・運動神経ともに抜群、更に喧嘩もバカみたいに強くて、生徒会長を務める、というスーパーキッズだった――褒めすぎたか。だが事実だ。
 みんなは「ちよちゃん、ちよちゃん」と擦り寄っていたが、ぼくはそういう気が起きなかった。囲まれていても、ちよしは孤独なんだろうということが、なんとなく感じ取れていた。取り巻きたちのはしゃぎっぷりは、ちよしが労働をして得た賃金で買ったということをすっかり度外視しているように思えた。
 小中も、ぼくは傍観者だったが、なぜか喧嘩の度にレフェリーを頼まれた。授業の合間の10分を使って教室でおっ始めるが(それは体育の授業の前で教室は無人だ)、3分で決着がつく。判定をするのではなく、残り7分の過剰な殴打を止める役として、ぼくは呼ばれていた。
 高校は別だったが、たまに駅で会ったちよしは、相変わらず取り巻きたちを連れており、女性にもよくモテていた。しかもちんぽが太い。とても野蛮なちんぽをしている。
 ぼくが「おー、ちよしー」と声を掛けると、取り巻きたちの体が一瞬だけ硬直して、ぼくを睨んだ――「なんで“ちよちゃん”じゃねえんだよ、こいつ!」と。
 ちよしはニコニコしている。
 そんな、ぼくとちよしです(わかんねーよ)。
 
 と書いていると、J也から電話がきた。
「こないだちよしが来たよ」
「ああ、聞いた」
「なんでアンタ来ないの?」
「仕事でよ」
 
 ――沈黙――
 
「で偶然、伽藍堂と会ってさ」
「聞いたよ」
「アンタなんでも知ってるな」
「うん」
「ススキノ出てないの?」
「週一で出てるよ」
「じゃあウチの店おいでよ」
「行ったっておまえいねーじゃん!」
「店にはいないよ」
「左団扇なんだな?」
「そうでもないよ。お願いだからウチに来て。店じゃなくてハウスに」
「なんで?」
「子供生まれてからサ……」
「おう、元気かい?」
「元気。で、俺の友だち、誰も家に来ないの」
「つーかおまえ、友だちいねーだろ」
「だから頼んでんじゃん……」
 
 というわけで、ちよしと伽藍堂、子供の情操教育のために、3人でJ也の家に押しかけましょうか!