ギタードキュメント

 
 ポカポカ陽気のせいで、二日目の味噌汁が腐る。
 
 思い出したように洋服のシミを抜く。
 或るクリーング店の人に教えてもらったのだ。
 家庭用のスチームを使う。ケルヒャーの安価なやつでいい。
 シミの裏に綺麗なタオルを敷き、上からスチームで“吹き落とす”のだ。
 これは、劇的に落ちる。大昔の理科の授業で習っただろうか、熱による分解作用は凄まじい。
 スチームを持っていない人は、ヤカンの口にホースを付けて徐々にすぼめて“アリクイ”みたいにすれば可能かもしれないが、たぶん事故が起きるだろう。
 
 映画『田園に死す』を観る。
 正直、前衛過ぎてよくわからなかった。
 若き日の三上寛が新鮮だったし、八千草薫の美貌に驚いた。
 いつの世も「薫」と名の付く人は美しい。
 
 映画『ヘアスプレー』を観る。
 ジョン・ウォーターズが監督かと思いきや、リメイクらしい。
 主演のおでぶちゃんが可愛い。
 原作のジョン・ウォーターズは、ピンク・フラミンゴ然りデブ専なんじゃねえか?
 あの映画はサントラが良い。一曲目がリンク・レイで、全体的に埃っぽいR&Rが映画とマッチしている。トータル30分弱のサントラCDですが。
 
 水野晴郎さんが亡くなったようです。
 あの人の髭って、ペンかなんかで書いてるんだよね。鼻の下を空けて、ジョン・ウォーターズを意識してたのかな。
 合掌。
 
 深夜まで本を読み耽る。
 かなり衝撃的な本だった。
 
名前のない女たち (宝島社文庫)

 これは凄いドキュメントだった。
 もう、まじでエロ動画を見ることができません――三日くらいは(そんだけか)。
 ちょっと、考えさせられますねぇ。本物のエロスとはなんぞや、ということに。
 小説が彼女たちに勝つのは難しいでしょう。
 
 昨夜、ギターが届く。

 
 純国産のハンドメイドで、たぶんぼくよりも年上だろう。
『Chaki』というブランドで、いまでも京都にある。憂歌団内田勘太郎さんの使用で有名だ。
 何十年間も倉庫かどこかに放置されていたのか、ギトギトに汚れていた。いや、ドロッドロだった。
 バラして磨き上げるも、塗装の劣化が凄まじく、いくら磨けど光らず。ちなみに写真は磨いた後です。
 その割には、フレットが限界まで摩耗していた。よく弾かれていた違いなく、フレットが減って買い換えたと見た。
 猛烈に弾きにくいギターだが、致命傷はない。古い国産のハンドメイドであることを考えると、それほど悪くない。“味”ということにしておく。
 けれど、フレットの打ち替えは必須だ。結構高いんだよナ……なんかピックアップも胡散臭ぇし。早速売り払うか、直してでも使い続けるかの判断は、しばらく弾いてから決断しよう。でも、ちょっと気に入っている。アンチGibsonもいいぜ。うーん、悩ましい。
 
 お別れの前に(もうかよ!)、記念に動画を撮っておく。
 デジタルビデオカメラは持っていないので、映像はお粗末です。
 録音機材を引っ張り出したので音は良いのですが、映像と音を組み合わせる作業にえらく時間がかかりました。
 どんなに頑張っても映像と微妙にズレてしまうし、音の良さがむしろ不自然です。
 しかもサイズがデカくて重い!
 誰かビデオカメラを貸せぃ!
 あいや、人にものを頼むのに、言い方が失礼でしたね。ごめんなさい。仕切り直します。
 
 誰かビデオキャメラを貸せぃ!(そこかよ)
 
 ではどうぞ。