オラオラ! 関節人形だよ!
『関節人形』という物がありまして。
いや、それはぼくが勝手に名付けただけなんですが。
まあ、要するに『少林寺 木人拳』に出てくる木人をちょっとだけ精巧にしたような物で、それを勝手に関節人形と呼んでいたわけです。
昭和三十五年、謝国権(しゃ こくけん。人名。医学博士)が書いた『性生活の知恵』という本が爆発的に売れまして、どれくらい売れたのかというと、版元の出版社が自社ビルを建てたくらい売れたそうであります。
タイトルからも察しがつくんですが、内容は性の解放、特に女性に向けた指南書となっているようです。つまり、子作りのための性生活ではなく、快楽のための性生活を啓蒙する本だったようです。
この本は未読なんですが、ものの本に抜粋記事がありまして、その文章よりも写真に興味を持ったわけです。
当時、春画や裏本などもあったはずですが、医学的見解からラーゲ・グラフィックス(性交態位)を図解するためには、絵も写真も憚れた時代だったわけです。
そこで、真面目な性を伝えるために著者が用いたのが、関節人形だったというわけです。
さすがに四十八手(裏もあるらしいじゃないか!)はありませんが、今となっては当たり前の態位が懇切丁寧に図解されいるのでありました。
性的なことはどうでもよくて、関節人形っておもしれえな、と思ったわけです。
で、つい最近知ったのが、関節人形は絵描きが使う『デッサン人形』であるということでした。
調べてみると、確かにそのものでした。さらに調べてゆくうちに、「デッサン人形よりもミクロマンが良い」という情報を見つけました。
ミクロマン……聞いたことはあるぜ!
調べてみると、なんと30箇所も可動するらしいじゃありませんか。キング・オブ・関節人形であります! しかもお値段500円也! これだ!
しかし、どうやらネイキッドタイプは既に生産中止らしく、でもそんなのカンケーねぇ! とヤフオクを覗いて見ると、案の定大量に出てきました。パネェ。
で、サクッと四体大人買い。
どうですか、巨乳でしょ?(そこかよ)
女体の在庫しかなくて、しかもバストサイズが四種類もあるんです。これ開発した人って、ちょっとアレですよね。
関節はバッチリなんだけど、当然ながら重心のバランスが悪く立てないのでプルタブに引っ掛けました。
死刑♪
こんなことやってると、ちょっとヤバい奴と思われそうですが、まあ実際ヤバいんですけど、複数買ったのには目的があるんです。
わかりますかね、『A』です。
「組体操で英字のフォントを作ったら面白いんじゃないか?」というアイデアが、関節人形に惹かれた理由です。
絵が描ければサクッと出来るんでしょうけど、リアルなのは描けないので、関節人形に頼ろうと思ったわけです。
それに、すでに人文字フォントはあるに違いありません。
けれど、こういうのはどうでしょうか。
これも一応『A』です。
「オラオラ! とっとと吐きなよ! ウチらのCBX盗んだのおめーらだろ!」と、レディースの抗争に見えませんか? 見えませんか、そうですか。
これは『E』です。
「罰としてあっちまでアタイを背負って膝で歩きな!」と、見えませんか? 見えませんか、残念です。
じゃあ角度を変えてみましょう。
ほら、だんだんと見えてきたでしょー。
次は『O』です。
「オラオラー! おまえの大好きな焼きプリンはおあずけだよー!」
「ヒィィィッ! 言います! 言いますってば!」
わたくしはこれらを「加虐フォント」、あるいは「キャットファイト・フォント(CFF)」と名付けます。
無論、男も混ぜたり、あるいは三人組み(そうしないとできない文字もある)にしたりと、夢は広がるのです。
間男フォントや哀愁フォントも、当然可能です。
とまあこのようにシュボ(煙草{ジョンプレイヤースペシャル}に火を点け)、文字に感情移入してしまうのはナゼナゼ(得体の知れないミックス犬{名前はザコバ}の頭を撫でながら)、我々日本人がキッ(炊飯器から昇る湯気を確認)、大昔から象形文字に慣れ親しんでいるからなのではないかとゲフッ(ヘアスプレーと接点復活材を間違う)思うわけだがシュッ(照明器具から垂れ下がっている紐の先をボクサー{ロイ・ジョーンズ}に見立てて)、みなさんはどのように思われるのか、特に聞きたいわけではありませんツッ(炊けたか!)。