フォト日記
正午起床。
ホットサンドと桃を喰らう。
洗濯機を回しつつ、たかじんのナントカというテレビを観る。
宮崎哲弥っていいよね。ぼくはかなり好きだな。昂奮すると必ず噛むところも好きだ。
彼の言っていることは正しいと思うし、その正しさの頻度や場所が丁度いい具合に在るところが良い。
夕刻、お祭りへ出掛ける。
リュックにカメラと交換レンズ、ウインドブレーカーを詰めて、自転車で20分ほど走る。
完全なる雲り空、今にも空がお漏らししそう。
自治体主催のお祭りらしく、警備員の即席感が微笑ましい(全員酔っていた)。
出ました、ユキ姐。兵藤じゃないよ。
そもそも「ボヘミアン」という言葉は、「刹那主義」や「無頼」とかを表す言葉だと思うんだけど、さすがはユキ姐、ほのぼの雰囲気を引き裂くようなダミ声で「みんな一緒にー!」と煽り、「ボヘミアーン!」ってバカ。
なんという美脚、そしてなんという厚底。
以前〈リンカーン〉に出演してた時と同じ格好じゃねえか(それは言うな)。
この美脚っぷり、かつて観た立川談志とよく似ている。
すると、背後から変質者が――「ユーキ姐ぇー! うーしーろー!」じゃなくて、抽選で選ばれ、ステージに上がったオジサマである。
〈バナナ・ボート〉というスタンダードナンバーがあって、それは観客と掛け合いがしやすい曲なのだ。その指揮者としてオジサマが抜擢されたというわけだ。というか、そばで見てたんだけど、無理遣りステージに上がってたぞ。
こうして見ると、ラッパーに見えなくもないから不思議。
飽きたぜ。
出口付近で張っていると、オジサマも張っていた。
ちゃんと販促コーナーでCDを買う律儀なオジサマ。
この頃になると、だいぶ気温が下がってきた。ビールは三杯目。
ビックリするくらい盛り上がらなかったチアリーディングのステージを、心配そうに見守っております。
やっぱこういうノリって、日本には根付かないのかな。
なんか、切なかったな。だって下手くそなんだもん。
ちなみにぼくが好きな大道芸人は「Mr.BUNBUN」で、これぞまさしく老若男女が愉しめる“芸”だと思う。
よさこいが出たあたりでポツポツと雨が降ってきた。ユキ姐の第二ステージが名残惜しかったが、カメラが壊れちゃかなわんので急いで帰る。
自転車を漕いでる間もどんどんと雨脚が強まるので、モーレツに飛ばした。
帰宅したと同時に、雨は止みやがった。
なんというか、全体的に哀愁漂うお祭りだった。
いちばん面白かった出来事は、写真では撮れなかった。
それは、ぼくがトイレで並んでいるときだった。
公園の公衆便所なので、外からは丸見えだ。
男性用の便器で用を足し終えた老人が、水を流すボタンを押す。
そしてその老人は、便器の上の方に両手を入れた。
酔っていて水の止め方を知らないのかと思ったら、老人は軽やかに便器を離れた。
そしてウインクこそしないものの、「よう! 待たせたな!」という表情でぼくを見やった。
そう、老人は男性用便器の上部から流れる水でもって、手を洗っていたのだ。
清潔なのか不衛生なのか、賢いのか馬鹿なのか、よくわからなくなった。